【オノマトペとは】擬音語・擬態語の3つの違いと、表現力を上げる魔法の使い方

「雨がザーザー降っている」

「お肌がモチモチする」

普段の会話やLINE、仕事のメールで何気なく使っているこれらの言葉。

なんとなく感覚で使っているけれど、「そもそも『オノマトペ』って何語?」「『擬音語』と『擬態語』って何が違うの?」と聞かれると、意外と答えに詰まってしまいませんか?

実は日本語は、世界でも類を見ないほど「オノマトペ」が豊富な言語です。この言葉の正体を正しく理解して使いこなせると、あなたの文章や会話の表現力はグンと上がります。

今回は、オノマトペの基本的な意味から、間違いやすい3つの種類の違い、そしてビジネスでも使える便利なフレーズまで、その奥深い世界をわかりやすく解説します。

オノマトペとは? 意味と語源

まずは「オノマトペ」という言葉の正体から紐解いていきましょう。

音や状態を「言葉」で写し取る

オノマトペとは、自然界の音や声、物事の状態や動きなどを、言葉(音)で真似て表現した修辞法のことです。

たとえば、犬の鳴き声を「ワンワン」、星がまたたく様子を「キラキラ」と表現しますよね。実際には空中に「キラキラ」という文字が浮かんでいるわけではありません。文字として存在しない「感覚」を、誰にでも伝わるように翻訳した言葉。それがオノマトペです。日本語では「擬音語」や「擬態語」と総称されます。

語源は「言葉を作る」という古代ギリシア語

「オノマトペ(Onomatopoeia)」という響き、日本語離れしていますよね。これはフランス語の「onomatopée」に由来しています。

さらにルーツを遡ると、古代ギリシア語の「onomatopoiia(オノマトペイア)」にたどり着きます。「onoma(名前)」と「poiein(作る)」が組み合わさった言葉で、もともとは「言葉を作る」「名付け」という意味を持っていました。

音のない世界になんとか名前をつけて、相手にイメージを伝えようとした。そんな昔の人々の知恵と工夫が詰まっている言葉なのです。

オノマトペの3つの種類と違い

オノマトペは、大きく分けると「擬声語」「擬音語」「擬態語」の3つに分類されます。それぞれの違いを整理しました。

種類読み方特徴具体例
① 擬声語ぎせいご人や動物が発する「声」ワンワン、オギャー、ゲラゲラ
② 擬音語ぎおんご自然や物が発する「音」ザーザー、ガチャン、トントン
③ 擬態語ぎたいご音のしない状態や心情シーン、ワクワク、ツルツル

それぞれの特徴をもう少し詳しく見てみましょう。

擬声語

生き物の「声」を言葉にしたものです。

  • 犬が「ワンワン」鳴く
  • 赤ちゃんが「オギャー」と泣く
  • みんなで「ゲラゲラ」笑う

これらは、実際に耳で聞こえる「声」を文字に置き換えています。

擬音語

無生物(自然や物)から出る「音」を言葉にしたものです。

  • 雨が「ザーザー」降る
  • ドアが「バタン」と閉まる
  • 雷が「ゴロゴロ」鳴る

これらも実際に耳で聞こえる音がベースです。英語などの他言語にも多く存在し(例:ドアを叩く音=knock)、比較的イメージしやすい種類と言えます。

擬態語

ここが日本語の面白いところであり、特殊な部分です。「擬態語」は、実際には音がしていない状態や心情を音で表したものです。

  • 部屋が「シーン」としている(静寂)
  • 星が「キラキラ」光る(視覚的な輝き)
  • 肌が「スベスベ」する(触覚)
  • 明日が楽しみで「ワクワク」する(心理状態)

「シーン」という音が実際に聞こえるわけではありませんよね。目に見える様子や手触り、さらには心の中までも「音」として表現してしまう。日本語はそれほど感性豊かな言語なのです。

よく使われるオノマトペ一覧【シーン別】

ここでは、日常会話や文章ですぐに使えるオノマトペをシーン別にご紹介します。

感情・感覚を表す

自分の気持ちや体の状態を伝えるのに便利です。

  • ワクワク:期待で胸が躍る様子。「旅行が楽しみでワクワクする」
  • イライラ:思い通りにならず神経が高ぶる。「渋滞でイライラする」
  • ハラハラ:危ない状況を心配する。「映画のクライマックスにハラハラした」
  • ズキズキ:脈打つような痛み。「虫歯がズキズキ痛む」
  • ホッ(と):安心した様子。「試験が終わってホッとした」

動き・様子を表す

人や物の動きをリアルに描写します。

  • グルグル:回転、あるいは巻きつける。「マフラーをグルグル巻きにする」
  • のろのろ:動きが非常に遅い。「車がのろのろ運転している」
  • きびきび:動作が早くて気持ちが良い。「きびきびと働く」
  • じろじろ:遠慮なく相手を見る。「人の顔をじろじろ見てはいけない」
  • ぶらぶら:目的なく歩く。「休日に街をぶらぶらする」

食べ物の食感を表す

料理の美味しさ(シズル感)を伝えるには欠かせません。

  • モチモチ:弾力があり粘り気がある。「このパンはモチモチしていて美味しい」
  • サクサク:軽い歯ごたえ。「サクサクのクッキー」
  • トロトロ:柔らかく溶けそうな状態。「トロトロの半熟卵」
  • パリパリ:乾燥した薄いものが割れる。「パリパリの海苔」
  • ジューッ:肉などが焼ける音(食欲をそそる表現として重要!)。

なぜ日本語にはオノマトペが多いのか?

「雨が降っている」と言うよりも、「雨がしとしと降っている」と言ったほうが、どんな雨かすぐに想像できますよね。なぜ日本語にはこれほど多くのオノマトペがあるのでしょうか。

英語との決定的な違い

英語は「動詞」が豊富な言語と言われています。例えば「笑う」だけでも、smile, chuckle, giggle, laugh など、単語自体を変えてニュアンスを区別します。

一方、日本語は「笑う」という動詞にオノマトペ(副詞的表現)を付け加えることで区別します。

  • ニコニコ笑う
  • クスクス笑う
  • ゲラゲラ笑う

一つの動詞を使い回しながら、オノマトペで無限のバリエーションを生み出せるのが日本語の特徴です。日本語のオノマトペは約12,000語もあると言われ、英語(約3,000語)の4倍にもなります。

繊細なニュアンスを伝える役割

日本人は古くから、風の音や虫の声など、自然の音に敏感な感性を持っていました。また、「痛み」のような他人に見えない感覚も、「キリキリ痛い(鋭い痛み)」「ズキズキ痛い(脈打つ痛み)」と使い分けることで、医者に正確な症状を伝えようとしてきました。

オノマトペは、繊細な感覚を共有するためのコミュニケーションツールとして進化してきたのです。

ビジネスや文章でオノマトペを使う効果・メリット

「オノマトペは子供っぽいからビジネスでは禁止」と思い込んでいませんか? 実は、使いどころさえ間違えなければ強力な武器になります。

臨場感・リアリティが伝わる

商品説明やプレゼンでオノマトペを使うと、相手の想像力をかき立てることができます。

  • Before:「この掃除機は吸引力が強いです」
  • After:「ゴミをグングン吸い取ります!」

後者のほうが、パワフルに掃除してくれるイメージが湧きますよね。あのAppleの創業者スティーブ・ジョブズも、プレゼンで「ブン!」「ボン!」といった擬音語を効果的に使っていたと言われています。

リズムが良くなり、親近感がわく

漢字ばかりの文章は堅苦しくなりがちですが、ひらがなやカタカナのオノマトペが入ると、文章にリズム(抜け感)が生まれます。

また、「お客様の悩みにピタッとハマる提案です」のように使うことで、人間味が出て親近感を持ってもらいやすくなります。

【注意点】使いすぎると幼稚に見えることも

ただし、TPOには注意が必要です。特に謝罪の場面での使用は厳禁です。

  • NG例:バタバタしておりまして、連絡が遅れました」

これは「準備不足」や「言い訳」と捉えられ、失礼にあたります。「多忙につき」や「取り紛れており」と言い換えるのがマナーです。

また、公式な文書や目上の方へのメールで多用しすぎると、「語彙力がない」「幼稚だ」と思われるリスクがあるため、相手との関係性を見極めて使いましょう。

おわりに

オノマトペについて解説してきましたが、いかがでしたか?

  • オノマトペは、音や状態を言葉で表したものの総称。
  • 擬声語・擬音語は「聞こえる音」、擬態語は「聞こえない状態」を表す。
  • 感情や食感を伝えるのに効果的だが、ビジネスではTPOをわきまえて使うことが大切。

「ワンワン」や「キラキラ」といった単純な言葉に見えて、実は相手にイメージを瞬時に伝える魔法の言葉です。

ぜひ、日々の会話や文章の中に意識してオノマトペを取り入れ、表現の幅を広げてみてくださいね。

参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times