【オノマトペとは】擬音語・擬態語の3つの違いと、表現力を上げる魔法の使い方
「雨がザーザー降っている」
「お肌がモチモチする」
普段の会話やLINE、仕事のメールで何気なく使っているこれらの言葉。
なんとなく感覚で使っているけれど、「そもそも『オノマトペ』って何語?」「『擬音語』と『擬態語』って何が違うの?」と聞かれると、意外と答えに詰まってしまいませんか?
実は日本語は、世界でも類を見ないほど「オノマトペ」が豊富な言語です。この言葉の正体を正しく理解して使いこなせると、あなたの文章や会話の表現力はグンと上がります。
今回は、オノマトペの基本的な意味から、間違いやすい3つの種類の違い、そしてビジネスでも使える便利なフレーズまで、その奥深い世界をわかりやすく解説します。
- 1. オノマトペとは? 意味と語源
- 1.1. 音や状態を「言葉」で写し取る
- 1.2. 語源は「言葉を作る」という古代ギリシア語
- 2. オノマトペの3つの種類と違い
- 2.1. 擬声語
- 2.2. 擬音語
- 2.3. 擬態語
- 3. よく使われるオノマトペ一覧【シーン別】
- 3.1. 感情・感覚を表す
- 3.2. 動き・様子を表す
- 3.3. 食べ物の食感を表す
- 4. なぜ日本語にはオノマトペが多いのか?
- 4.1. 英語との決定的な違い
- 4.2. 繊細なニュアンスを伝える役割
- 5. ビジネスや文章でオノマトペを使う効果・メリット
- 5.1. 臨場感・リアリティが伝わる
- 5.2. リズムが良くなり、親近感がわく
- 5.3. 【注意点】使いすぎると幼稚に見えることも
- 6. おわりに
- 6.1. 参考
オノマトペとは? 意味と語源

まずは「オノマトペ」という言葉の正体から紐解いていきましょう。
音や状態を「言葉」で写し取る
オノマトペとは、自然界の音や声、物事の状態や動きなどを、言葉(音)で真似て表現した修辞法のことです。
たとえば、犬の鳴き声を「ワンワン」、星がまたたく様子を「キラキラ」と表現しますよね。実際には空中に「キラキラ」という文字が浮かんでいるわけではありません。文字として存在しない「感覚」を、誰にでも伝わるように翻訳した言葉。それがオノマトペです。日本語では「擬音語」や「擬態語」と総称されます。
語源は「言葉を作る」という古代ギリシア語
「オノマトペ(Onomatopoeia)」という響き、日本語離れしていますよね。これはフランス語の「onomatopée」に由来しています。
さらにルーツを遡ると、古代ギリシア語の「onomatopoiia(オノマトペイア)」にたどり着きます。「onoma(名前)」と「poiein(作る)」が組み合わさった言葉で、もともとは「言葉を作る」「名付け」という意味を持っていました。
音のない世界になんとか名前をつけて、相手にイメージを伝えようとした。そんな昔の人々の知恵と工夫が詰まっている言葉なのです。
オノマトペの3つの種類と違い

オノマトペは、大きく分けると「擬声語」「擬音語」「擬態語」の3つに分類されます。それぞれの違いを整理しました。
| 種類 | 読み方 | 特徴 | 具体例 |
| ① 擬声語 | ぎせいご | 人や動物が発する「声」 | ワンワン、オギャー、ゲラゲラ |
| ② 擬音語 | ぎおんご | 自然や物が発する「音」 | ザーザー、ガチャン、トントン |
| ③ 擬態語 | ぎたいご | 音のしない状態や心情 | シーン、ワクワク、ツルツル |
それぞれの特徴をもう少し詳しく見てみましょう。
擬声語
生き物の「声」を言葉にしたものです。
- 犬が「ワンワン」鳴く
- 赤ちゃんが「オギャー」と泣く
- みんなで「ゲラゲラ」笑う
これらは、実際に耳で聞こえる「声」を文字に置き換えています。
擬音語
無生物(自然や物)から出る「音」を言葉にしたものです。
- 雨が「ザーザー」降る
- ドアが「バタン」と閉まる
- 雷が「ゴロゴロ」鳴る
これらも実際に耳で聞こえる音がベースです。英語などの他言語にも多く存在し(例:ドアを叩く音=knock)、比較的イメージしやすい種類と言えます。
擬態語
ここが日本語の面白いところであり、特殊な部分です。「擬態語」は、実際には音がしていない状態や心情を音で表したものです。
- 部屋が「シーン」としている(静寂)
- 星が「キラキラ」光る(視覚的な輝き)
- 肌が「スベスベ」する(触覚)
- 明日が楽しみで「ワクワク」する(心理状態)
「シーン」という音が実際に聞こえるわけではありませんよね。目に見える様子や手触り、さらには心の中までも「音」として表現してしまう。日本語はそれほど感性豊かな言語なのです。
よく使われるオノマトペ一覧【シーン別】

ここでは、日常会話や文章ですぐに使えるオノマトペをシーン別にご紹介します。
感情・感覚を表す
自分の気持ちや体の状態を伝えるのに便利です。
- ワクワク:期待で胸が躍る様子。「旅行が楽しみでワクワクする」
- イライラ:思い通りにならず神経が高ぶる。「渋滞でイライラする」
- ハラハラ:危ない状況を心配する。「映画のクライマックスにハラハラした」
- ズキズキ:脈打つような痛み。「虫歯がズキズキ痛む」
- ホッ(と):安心した様子。「試験が終わってホッとした」
動き・様子を表す
人や物の動きをリアルに描写します。
- グルグル:回転、あるいは巻きつける。「マフラーをグルグル巻きにする」
- のろのろ:動きが非常に遅い。「車がのろのろ運転している」
- きびきび:動作が早くて気持ちが良い。「きびきびと働く」
- じろじろ:遠慮なく相手を見る。「人の顔をじろじろ見てはいけない」
- ぶらぶら:目的なく歩く。「休日に街をぶらぶらする」
食べ物の食感を表す
料理の美味しさ(シズル感)を伝えるには欠かせません。
- モチモチ:弾力があり粘り気がある。「このパンはモチモチしていて美味しい」
- サクサク:軽い歯ごたえ。「サクサクのクッキー」
- トロトロ:柔らかく溶けそうな状態。「トロトロの半熟卵」
- パリパリ:乾燥した薄いものが割れる。「パリパリの海苔」
- ジューッ:肉などが焼ける音(食欲をそそる表現として重要!)。
なぜ日本語にはオノマトペが多いのか?

「雨が降っている」と言うよりも、「雨がしとしと降っている」と言ったほうが、どんな雨かすぐに想像できますよね。なぜ日本語にはこれほど多くのオノマトペがあるのでしょうか。
英語との決定的な違い
英語は「動詞」が豊富な言語と言われています。例えば「笑う」だけでも、smile, chuckle, giggle, laugh など、単語自体を変えてニュアンスを区別します。
一方、日本語は「笑う」という動詞にオノマトペ(副詞的表現)を付け加えることで区別します。
- ニコニコ笑う
- クスクス笑う
- ゲラゲラ笑う
一つの動詞を使い回しながら、オノマトペで無限のバリエーションを生み出せるのが日本語の特徴です。日本語のオノマトペは約12,000語もあると言われ、英語(約3,000語)の4倍にもなります。
繊細なニュアンスを伝える役割
日本人は古くから、風の音や虫の声など、自然の音に敏感な感性を持っていました。また、「痛み」のような他人に見えない感覚も、「キリキリ痛い(鋭い痛み)」「ズキズキ痛い(脈打つ痛み)」と使い分けることで、医者に正確な症状を伝えようとしてきました。
オノマトペは、繊細な感覚を共有するためのコミュニケーションツールとして進化してきたのです。
ビジネスや文章でオノマトペを使う効果・メリット
「オノマトペは子供っぽいからビジネスでは禁止」と思い込んでいませんか? 実は、使いどころさえ間違えなければ強力な武器になります。
臨場感・リアリティが伝わる
商品説明やプレゼンでオノマトペを使うと、相手の想像力をかき立てることができます。
- Before:「この掃除機は吸引力が強いです」
- After:「ゴミをグングン吸い取ります!」
後者のほうが、パワフルに掃除してくれるイメージが湧きますよね。あのAppleの創業者スティーブ・ジョブズも、プレゼンで「ブン!」「ボン!」といった擬音語を効果的に使っていたと言われています。
リズムが良くなり、親近感がわく
漢字ばかりの文章は堅苦しくなりがちですが、ひらがなやカタカナのオノマトペが入ると、文章にリズム(抜け感)が生まれます。
また、「お客様の悩みにピタッとハマる提案です」のように使うことで、人間味が出て親近感を持ってもらいやすくなります。
【注意点】使いすぎると幼稚に見えることも
ただし、TPOには注意が必要です。特に謝罪の場面での使用は厳禁です。
- NG例:「バタバタしておりまして、連絡が遅れました」
これは「準備不足」や「言い訳」と捉えられ、失礼にあたります。「多忙につき」や「取り紛れており」と言い換えるのがマナーです。
また、公式な文書や目上の方へのメールで多用しすぎると、「語彙力がない」「幼稚だ」と思われるリスクがあるため、相手との関係性を見極めて使いましょう。
おわりに
オノマトペについて解説してきましたが、いかがでしたか?
- オノマトペは、音や状態を言葉で表したものの総称。
- 擬声語・擬音語は「聞こえる音」、擬態語は「聞こえない状態」を表す。
- 感情や食感を伝えるのに効果的だが、ビジネスではTPOをわきまえて使うことが大切。
「ワンワン」や「キラキラ」といった単純な言葉に見えて、実は相手にイメージを瞬時に伝える魔法の言葉です。
ぜひ、日々の会話や文章の中に意識してオノマトペを取り入れ、表現の幅を広げてみてくださいね。




