【完全版】カレーの種類一覧!インド・タイ・日本・欧風の特徴や人気メニューを徹底解説

「今日のランチ、何にしよう?」「今夜はカレーが食べたい気分!」

そんな時、メニューを見て「バターチキンとキーマ、どっちにしよう?」「グリーンカレーとレッドカレーって、単に色の違いだけ?」と迷ったことはありませんか?

実は「カレー」と一口に言っても、その世界は驚くほど奥深く、気候や風土によって全く異なる進化を遂げています。

目次

実は「カレー」の定義は曖昧?大きく4つのジャンルで整理しよう

本来「カレー」という単一の料理は存在せず、スパイスやハーブを複合的に使って食材を煮込んだ料理(汁物・煮込み)の総称として使われています。

この記事では、迷宮のように広がるカレーの世界を、分かりやすく「インド」「タイ」「欧風」「日本(独自進化)」の4大ジャンルに分けて整理しました。

それぞれの「なぜ味が違うのか」という背景を知れば、あなたのカレー選びはもっと楽しく、美味しいものになるはずです。


まずはここから!世界の代表的なカレー4大分類

まずは、カレー界の全体像を掴むために、主要な4つのジャンルの特徴を、その「成り立ち」から押さえましょう。

【インドカレー】スパイス使いが命!北と南で異なる特徴

スパイスカレーの本場インドですが、広大な国土ゆえに「北」と「南」では主食も油も全く異なります。

  • 北インド:寒暖差があるため、体を温めるエネルギー源として動物性油脂(ギー、バター)や生クリームなどの乳製品 を多用します。濃厚なグレイビー(ルウ)は、主食である小麦(ナン、チャパティ)によく絡むように作られています。
  • 南インド:熱帯気候のため、油脂は軽く、ココナッツミルクや酸味のあるタマリンドを使って食欲を増進させます。主食はお米であるため、米に染み込みやすいサラサラとしたスープ状のカレーが基本です。

【タイカレー】ハーブとココナッツミルクが織りなす「ゲーン」

タイではカレーを「ゲーン(汁物)」と呼びます。インドカレーとの最大の違いは、スパイスを「乾燥(粉末)」で使うか、「生(ペースト)」で使うかです。

タイカレーは、フレッシュなハーブ(レモングラス、こぶみかんの葉、パクチーの根) や生唐辛子を石臼ですり潰した「ペースト」を使用するため、鮮烈な香りとハーブの清涼感が特徴です。

ここにココナッツミルクの甘みと、ナンプラー(魚醤)の旨味が加わります。

【欧風カレー】小麦粉とフォンドボーで煮込むコク深い味わい

明治時代にイギリスから日本へ伝わった、洋食としてのカレーです。

フランス料理の技法を取り入れ、小麦粉と油脂(バター・ラード)を炒めた「ルウ」 でとろみをつけるのが最大の特徴。

スパイスの刺激よりも、仔牛の出汁(フォンドボー)や香味野菜を長時間煮込んだ「ブイヨン」の旨味、そして果実の甘みを重視した、リッチでマイルドな「シチュー」に近い料理です。

【日本のカレー】独自進化した国民食(ライスカレー・スープ・スパイス)

欧風カレーから始まり、日本米(ジャポニカ米)に合わせて粘度を高めた「ルウカレー」が家庭に定着しました。

しかし現在は、札幌発祥の薬膳効果を意識したスープカレーや、大阪発祥の出汁(だし)とスパイスを融合させたスパイスカレーなど、世界でも類を見ないガラパゴス的な進化を続けています。


【インド編】レストランで迷わない!代表的なカレーの種類

インド料理店のメニューは暗号のよう? いえ、特徴さえ知っていれば、その日の気分にぴったりの一皿が選べます。

北インドカレー(濃厚・クリーミー・ナンに合う)

ムガール帝国の宮廷料理の流れを汲む、リッチな味わいが特徴です。

バターチキンカレー(ムルグマカニ)

日本で不動の人気No.1。トマトベースのグレイビーに、たっぷりのバターと生クリームを加え、タンドール窯で焼いたチキンを煮込みます。

実は「チキンティッカマサラ」と混同されがちですが、バターチキンの方がより甘みが強くマイルドで、インド発祥の伝統的なレシピです。


サグカレー(パラックパニール)

鮮やかな緑色の正体は、ペースト状にしたほうれん草(パラック) や菜の花などの青菜。具材には、インドのカッテージチーズ「パニール」が使われるのが定番です。

野菜の甘みと鉄分が凝縮されており、辛さ控えめで女性に人気の高いメニューです。


コルマ(ヨーグルトやナッツベース)

「白いカレー」とも呼ばれる宮廷料理。カシューナッツやアーモンドのペースト、ヨーグルト、生クリームで煮込みます。

唐辛子の辛さよりも、カルダモンやクローブなどの「香り」のスパイス(アロマティックスパイス)を重視した、貴族的なコクのある味わいです。


キーマカレー

「キーマ」はヒンディー語で「細かいもの(ひき肉)」の意味。羊肉(マトン)や鶏肉のひき肉をスパイスで炒め煮にしたもので、北インドでは汁気の少ないドライタイプが主流。

ナンに乗せても垂れ落ちず、肉の旨味をダイレクトに楽しめます。

南インドカレー(シャバシャバ・辛口・米に合う)

高温多湿な気候が生んだ、酸味とキレのある味わいです。

サンバル(豆と野菜)

南インドの定食「ミールス」に欠かせない、日本でいう味噌汁的存在。トゥールダル(豆) と季節の野菜(大根、オクラ、ナスなど)を煮込み、タマリンドの酸味とサンバルマサラで仕上げます。

肉を使わないベジタリアン料理ですが、豆の滋味深いコクがあります。


ラッサム(酸味のあるスープ)

「ジュース」を語源に持つ、非常にスパイシーなスープ。黒胡椒(ブラックペッパー) とニンニクの刺激、タマリンドとトマトの酸味が強烈で、ご飯にかけて食べるのが基本です。

消化促進作用があり、現地の人は体調を整えるために飲みます。


フィッシュカレー(ココナッツと魚介)

海沿いのケララ州などで愛される味。魚の臭みを消すために、タマリンドや「コカム」という果実の酸味を使い、ココナッツミルクでコクを出します。

マスタードシードを油で弾けさせた香ばしい香りが食欲をそそります。

その他の有名メニュー(ビンダルー、マサラ等)

ポークビンダルー

西インド・ゴア地方の名物。かつてポルトガル領だった影響で、ヒンドゥー教やイスラム教では避けられる「豚肉」を使用します。

最大の特徴はワインビネガー(酢) とニンニクに肉を漬け込むこと。酸味と辛味がガツンとくる「酸っぱ辛い」味わいは、中毒性が高く、近年のカレーファンを虜にしています。


チキンティッカマサラ

実はイギリス生まれのカレー。焼いたチキン(チキンティッカ)を、スパイスとトマト、クリームのソースで煮込んだもの。

バターチキンに似ていますが、よりスパイス感が強く、トマトの酸味と「焼き」の香ばしさが際立つのが特徴です。


【タイ編】色で味が違う?代表的なタイカレーの種類

タイカレーの色の違いは、使用する「唐辛子の種類(生か乾燥か)」と「ハーブの組み合わせ」で決まります。

グリーンカレー(ゲーン・キョウ・ワン):青唐辛子の刺激

  • 色の秘密:生の青唐辛子(プリッキーヌ)、パクチーの根、バジル、こぶみかんの葉を使用するため鮮やかな緑色になります。
  • 味の特徴:ココナッツミルクの甘い香りの直後に、青唐辛子の突き抜けるような鋭い辛さが襲ってきます。タイカレーの中で最も辛いのがこれ。ナスや鶏肉、タケノコが定番具材です。

レッドカレー(ゲーン・ペッ):赤唐辛子の辛さと旨味

  • 色の秘密:乾燥させた赤唐辛子をペーストのベースにするため、赤褐色になります。
  • 味の特徴:見た目は激辛そうですが、完熟唐辛子特有の香ばしい旨味があり、グリーンカレーに比べると辛さはやや穏やか(中辛)です。エビなどの魚介類や、カボチャ、ローストダックなど、旨味の強い具材と合わせることが多いです。

イエローカレー(ゲーン・ガリー):ターメリックの香りとマイルドさ

  • 色の秘密:ターメリック(ウコン) やカレー粉などのドライスパイスを多用するため、黄色くなります。
  • 味の特徴:3種類の中で最もマイルド。ココナッツクリームを贅沢に使い、濃厚でクリーミー。カルダモンやクローブの香りが強く、日本のカレーに近い風味があるため、辛いのが苦手な方にもおすすめです。

マッサマンカレー:「世界で最も美味しい食べ物」に選ばれた甘みとコク

  • 歴史的背景:タイ南部発祥で、イスラム商人(ムスリム)の影響を受けたカレー。「マッサマン」は「イスラムの」という意味を持ちます。CNNのランキングで世界1位に選ばれ話題になりました。
  • 味の特徴:他のタイカレーとは異なり、シナモン、八角(スターアニス)、カルダモンなどのドライスパイスを焙煎して使います。ピーナッツの香ばしさ、タマリンドの酸味、ココナッツシュガーの甘みが複雑に重なり合う、濃厚でリッチな味わいです。

【日本・その他編】進化が止まらない!注目のカレーの種類

カレーは今も進化し続けています。特に日本の「出汁」文化との融合や、周辺国のマニアックな料理が注目されています。

欧風カレー:ホテルや洋食店で愛される伝統の味

ホテルや老舗洋食店で提供される、黒っぽくて艶のあるカレー。飴色になるまで炒めた玉ねぎの甘み、フォンドボー(仔牛の出汁)の動物性の旨味、そしてバターと小麦粉のルウ。

隠し味に赤ワインやチョコレート、フルーツのチャツネを使い、「甘さ・辛さ・コク」 の三位一体を追求した、日本独自の洋食文化です。

スープカレー:札幌発祥、野菜たっぷりの薬膳効果

1970年代に札幌で誕生。ルウを使わず、スパイスとブイヨンで作るサラサラのスープです。

最大の特徴は、素揚げした大きな野菜(ピーマン、ナス、根菜など)と、ホロホロのチキンレッグ。スープには焦がしバジルや漢方スパイスが使われることが多く、食べることで体を温め整える「薬膳」としての側面も持っています。

スパイスカレー:大阪発祥、自由な発想で楽しむ新ジャンル

大阪から全国へ広がった新しい波。「小麦粉(ルウ)を使わない」こと以外に決まりはなく、店主の個性が爆発したカレーです。

  • 出汁(だし)との融合:カツオや昆布、煮干しなどの和風出汁をベースに使い、スパイスと旨味の相乗効果を狙います。
  • カスリメティ:仕上げに甘い香りのハーブ「カスリメティ」を散らす店が多く、これが大阪スパイスカレーの香りの象徴とも言えます。
  • あいがけ:一皿に数種類のカレーと、彩り豊かな副菜(アチャールなど)を盛り付け、混ぜ合わせながら味の変化を楽しみます。

スリランカ・ネパール・パキスタンのカレーもブーム到来?

  • スリランカカレー:最大の特徴は「モルディブフィッシュ(鰹節の一種)」を使うこと。日本人には馴染み深い魚の旨味があります。ワンプレートに盛られた数種類のカレーと副菜を、全て混ぜて食べるのが現地流です。
  • ネパールカレー(ダルバート):豆のスープ(ダル)、ご飯(バート)、野菜のおかず(タルカリ)の定食。油やスパイスの使用量が控えめで、毎日食べても胃もたれしない、優しい「おふくろの味」です。
  • パキスタンカレー:肉食文化の極み。骨付き肉を煮込んでコラーゲンが溶け出した「ニハリ」や、羊の脚(豚足のような部位)を煮込んだ「パヤ」など、オイリーでゼラチン質な、パンチのある濃厚な煮込み料理がマニアを唸らせています。

自分好みのカレーを見つけるポイント

これだけ種類があると迷ってしまいますが、選び方のコツはシンプルです。

辛さ(ホット)か、香り(スパイシー)か

  • 刺激的な辛さを求めるなら:タイの「グリーンカレー」、南インドの「ラッサム」、西インドの「ポークビンダルー」。
  • 香りとコクをじっくり楽しむなら:北インドの「バターチキン」「コルマ」、タイの「マッサマンカレー」、日本の「欧風カレー」。

主食(ナン・ライス・チャパティ)との相性

  • ナンが好き:とろみのある「北インドカレー」一択です。
  • ご飯が好き:サラサラ系の「南インドカレー」「タイカレー」「スープカレー」がお米に染み込んで最高です。
  • 全粒粉の香ばしさを楽しみたい:北インドの家庭の味「チャパティ」や「ロティ」のあるお店を探してみましょう。

カレーの種類を知れば、世界中の食文化が見えてくる

一口にカレーと言っても、北インドでは寒さを凌ぐために濃厚に、南インドやタイでは暑さを乗り切るために酸味と辛味を効かせて……というように、その土地の気候や文化に合わせて合理的な進化を遂げていることがわかります。

  • リッチな気分の日はバターチキン
  • シャキッと刺激が欲しい日はグリーンカレー
  • 出汁の旨味に癒やされたい日は大阪スパイスカレー

その日の気分や体調に合わせて「今日の最高のカレー」を選んでみてください。

きっと、スプーン一杯の中に広がる新しい世界に出会えるはずです!

参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times