T-POP(タイポップ)とは?世界が注目する理由と絶対ハマる人気アーティスト・名曲完全ガイド【2026年 最新版】

ふと立ち寄ったカフェで、どこか懐かしいけれど、聴いたことのない言葉のポップスが流れてきたことはありませんか?

もしそうなら、それは「T-POP(タイポップ)」かもしれません。

今、アジアの音楽シーンでK-POPに続く巨大な潮流として、タイの音楽が爆発的な盛り上がりを見せています。2025年、サマーソニックへのタイアーティスト出演や、日本の街中で見かけるタイ語の広告は、もはや珍しいものではなくなりました。

この記事では、なぜ今、微笑みの国・タイの音楽が世界中のZ世代や感度の高いリスナーを熱狂させているのか、その構造と文化的背景を紐解きます。読み終える頃には、あなたのプレイリストに新しい「推し」が加わり、世界が少しだけ鮮やかに、そして「サバイ(心地よく)」見えるようになっているはずです。

目次

T-POP(タイポップ)とは? なぜ今、世界中でブームなのか

T-POPの定義と特徴:洗練と「サバイ」の融合

T-POPとは、タイで製作されるポピュラー音楽の総称ですが、2020年代以降のそれは明確に新しいフェーズに入っています。

一言で言えば、「グローバルスタンダードなサウンドクオリティ」と「タイ独自の脱力感(Thainess)」のハイブリッドです。

K-POPが「完璧に磨き上げられた群舞とビジュアル」で世界を制したのに対し、T-POPは「サバイ(Sabai)」という精神性を武器にしています。「サバイ」とはタイ語で「心地よい」「リラックスした」という意味。

高度な実力を持ちながらも、ステージ上でメンバー同士が自然体でじゃれ合うような「人間味」や「抜け感」が、競争社会に疲れた現代人の心にフィットしているのです。

ブームの火付け役は「タイドラマ」と「SNS」

このブームの構造的な起点は、間違いなく「タイドラマ(Yシリーズ)」にあります。

『2gether』などのBL(ボーイズラブ)ドラマが世界中でヒットしましたが、タイのエンタメ業界の巧みな点は、「ドラマの俳優がそのまま歌手としてデビューする」、あるいは「ドラマの主題歌を主演俳優が歌う」というシステムを完成させたことです。

これにより、ドラマで感情移入したファンがそのまま音楽のファンへとスライドします。さらにTikTokでは、キャッチーな振り付けのダンスチャレンジ(#TPOP)が流行し、言葉の壁を超えて音楽が拡散される土壌が整いました。

政府も後押しする「ソフトパワー」としての勢い

2025年現在、T-POPの躍進は国策でもあります。タイ政府は「THACCA(タイクリエイティブ文化庁)」を設立し、音楽やフェスティバルを「ソフトパワー」として世界に輸出する戦略を強化しています。

ソンクラーン(水かけ祭り)を世界的な音楽フェス「Maha Songkran World Water Festival」へと進化させるなど、エンタメを観光資源と直結させる動きは、まさに国家レベルのプロジェクトなのです。

ここが凄い!T-POPが日本人の心に刺さる3つの理由

懐かしくて新しい「ネオ・シティポップ」感

日本人にとって、T-POPは不思議なほど「耳馴染み」が良い音楽です。

その理由は、タイのミュージシャンたちが日本の70〜80年代の「シティポップ(山下達郎や竹内まりや等)」を深く愛し、リスペクトしているから。

シンセサイザーのきらめく音色や、都会的なメロディラインを現代風に再解釈した「ネオ・シティポップ」とも呼べるサウンドは、日本のリスナーに「ノスタルジー」と「新しさ」を同時に提供してくれます。PolycatやInk Waruntornといったアーティストは、その象徴と言えるでしょう。

MVのクオリティと「ビジュアル」の強さ

「タイのMV?」と侮るなかれ。現在のT-POPの映像美は、K-POPにも引けを取りません。

特筆すべきは、色彩感覚の豊かさとジェンダーレスな表現です。LGBTQ+に対してオープンな社会背景を持つタイでは、メイクやファッションにおいて性別の境界を軽やかに飛び越える表現が多く見られます。その自由でカラフルなビジュアルは、見るだけで元気を貰えるパワーに満ちています。

ファンとの距離が近い「推し活」の楽しさ

T-POPの現場は、ファンとの距離が驚くほど近いです。

SNSでの発信頻度が高いのはもちろん、イベントではファンサービスが手厚く、スターでありながら「近所のお兄さん・お姉さん」のような親近感を持っています。

タイのファン文化は「楽しむこと(サヌック)」が第一。完璧さを求めるよりも、一緒に盛り上がることを重視するポジティブな空気感が、日本の「推し活」疲れした層を癒やしているのです。

【ジャンル別】まずはこれを聴け!T-POPおすすめアーティスト12選

ここからは、2025年のシーンを彩る最重要アーティストを厳選して紹介します。

K-POP好きにおすすめ!実力派ダンス&ボーカルグループ

4EVE(フォーイブ)

「ガールクラッシュ(女性が惚れる女性)」の代名詞。7人それぞれの個性が際立ち、ラップもボーカルもハイレベルです。2025年のEP『Glow』では、強さだけでなく大人の余裕も感じさせるパフォーマンスを披露。日本のファンも急増中です。

ATLAS(アトラス)

7人組ボーイズグループ。彼らの魅力はなんといっても「エナジー」と「ユーモア」。最新曲「Somtam」ではタイの国民食をテーマにするなど、遊び心満載。ライブでの煽りの上手さはT-POP界随一です。

BUS (Because of You I Shine)

サバイバル番組から誕生した12人の大型新人。デビュー即トップスターへと駆け上がり、2025年のサマーソニックにも出演予定。ユニット活動も活発で、K-POPシステムを踏襲しつつタイらしい愛嬌を兼ね備えています。

PiXXiE(ピクシー)

「妖精」の名を持つ3人組。魔法やガーリーな世界観が特徴ですが、実力は本物。アルバム『Moon』からのヒット曲「Magic Car」は、TikTokでダンスチャレンジが大流行。日本の「カワイイ」文化とも親和性が高いグループです。

PROXIE(プロキシ)

6人組ボーイズグループ。「Silent Mode (คนไม่คุย)」のロングヒットで国民的人気に。2025年のアルバム『Data Storage』では、爽やかさの中に大人の色気を纏った「Bad Shawty」などの新境地を見せています。

LYKN(ライキャン)

オーディション番組『Project Alpha』出身の5人組実力派。ダンススキルの高さに定評があり、2025年7月には日本での合同コンサート「GMMTV MUSICON」にも出演。バラードから激しいダンス曲までこなす万能型です。

楽曲派・バンド好きにおすすめ!心地よいグルーヴ感

Ink Waruntorn(インク・ワラントーン)

「シンセポップの女王」。彼女の曲を聴けば、T-POPがなぜ日本人に刺さるかが一発で分かります。最新アルバム『BOLD』でも、懐かしくも洗練されたシティポップサウンドを展開。透き通るような歌声は必聴です。

Tilly Birds(ティリー・バーズ)

オルタナティブ・ロックバンド。英語詞の楽曲「Heaven」をリリースし、海外ツアーも成功させるなど、グローバルなバンドとして進化中。エモーショナルな歌詞と、洗練されたバンドサウンドが融合しています。

Three Man Down(スリー・マン・ダウン)

タイの若者から絶大な支持を集めるポップロックバンド。2025年のアルバム『III』では、The TOYSらとのコラボも実現。日常の切なさを切り取った歌詞は、言葉がわからなくても心に響きます。

圧倒的カリスマ!世界で活躍するソロアーティスト

Jeff Satur(ジェフ・サター)

俳優としても活躍するマルチアーティスト。「Red Giant」プロジェクトでワールドツアーを成功させ、ミス・ユニバース2025のオープニングも飾りました。R&Bやロックを融合させた楽曲と、圧倒的な美貌・世界観は「芸術」の域です。

MILLI(ミリ)

Coachellaでマンゴーもち米を食べた伝説のラッパー。2025年のアルバム『Heavyweight』では、新しい学校のリーダーズともコラボ。社会風刺も交えた鋭いラップと、底抜けに明るいキャラクターのギャップが魅力です。

Nont Tanont(ノン・タノン)

「タイの国民的歌手」。オーディション番組出身で、包容力のある歌声とR&Bサウンドが特徴。2025年の新曲「Fallin'」でも、その表現力で聴く人の心を震わせています。メガネがトレードマークの愛されキャラです。

T-POPをより楽しむための基礎知識

主要な音楽レーベルとプラットフォーム

T-POPを探すなら、まずはYouTubeがメインのプラットフォームです。

  • GMM Grammy: タイ最大のエンタメ企業。Three Man DownやTilly Birdsなどが所属。
  • XOXO Entertainment: 4EVEやATLASを擁し、現在のT-POPブームを牽引するレーベル。
  • LIT Entertainment: PiXXiEなど、Z世代に刺さるポップなアーティストを輩出。
  • T-POPアプリ: ファン投票でランキングが決まる番組『T-POP STAGE SHOW』と連動したアプリ。ファンダム活動の必須ツールです。

覚えておきたいタイ語の音楽用語・ファンダム用語

推し活(タイ沼)をより楽しむためのキーワードです。

  • Oshi(推し) / Main(メーン): 自分が一番応援しているメンバー。「My Main is...」のように使います。
  • Jin(ジン): 「想像する(Imagine)」から。メンバー同士の仲良しエピソードを見て「尊い…」と妄想すること。
  • Sabai Sabai(サバイサバイ): 「気楽にいこう」「大丈夫」。トラブルがあった時や、推し活で疲れた時に魔法のように効く言葉。

T-POPは「アジアの次世代スタンダード」へ

かつてK-POPがそうであったように、T-POPもまた「知る人ぞ知る」存在から、世界のメインストリームへと駆け上がろうとしています。

しかし、T-POPが提示するのは「完璧なスター」だけではありません。「完璧でなくてもいい、楽しむことが一番(サヌック)」という、現代人が忘れかけている大切な価値観を、音楽を通して教えてくれているようにも思えます。

この記事で気になったアーティストがいれば、ぜひYouTubeやSpotifyで検索してみてください。そのワンクリックが、あなたの日常を少しだけカラフルで「サバイ」なものに変えてくれるはずです。

参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times