「推し活」とは何? オタ活との違い、推し活グッズも紹介

「推し活」とは、特定のアイドルやアニメキャラクター、アーティスト、スポーツ選手など、自分の好きな「推し」を応援するために行う様々な活動のことです。近年、その人気は急速に広がり、今や単なる趣味を超えた一つの文化として社会に根付いています。

その経済的な影響力も大きく、「推し活総研」が2024年1月に発表した調査によると、日本の推し活の市場規模は年間6,840億円にものぼると推計されています。この記事では、そんな巨大なマーケットに成長した推し活の基本から、2025年の最新トレンド、具体的な楽しみ方までを完全解説します。

2025年の推し活トレンド5選

2024年から引き続き、2025年の推し活シーンを彩る注目のトレンドを紹介します。

1. AI×推し活の新時代

2025年最大のトレンドの一つが「推し活×AI」です。ChatGPTなどの生成AIを使い、二次創作小説やイラストを作成したり、推しに関する情報を効率的に収集したりと、テクノロジーを駆使した新しい推し活が急速に広がっています。

2. デコ活ブーム到来

平成時代に流行した「デコ電」の文化が、令和の推し活で「デコ活」として復活。推しのうちわやトレーディングカード、アクリルスタンドなどをラインストーンやシールで飾り付け、オリジナリティを表現する文化が人気です。

3. イマーシブ推し活(五感体験)

視覚だけでなく、嗅覚、触覚、味覚など五感を使って推しを感じる「イマーシブ推し活」が注目されています。推しをイメージした香水や、推し色のスイーツなど、より深く推しの世界観に浸れるグッズが人気を集めています。

4. 80-90年代リバイバルファッション

グランジファッションなどの80~90年代リバイバルが推し活にも浸透。「サブジラ」コーデ(サブカルチャーと地雷系のミックス)など、黒や寒色系を基調とした個性的なスタイルでライブなどに参加するファンも増えています。

5. コト消費への移行

従来の「モノ消費」(グッズ購入)から、体験を重視する「コト消費」への関心が高まっています。推しのゆかりの地を巡る「聖地巡礼」や「推し旅」、コンセプトカフェでの体験など、思い出に残る活動が重視される傾向にあります。

推し活の具体的な楽しみ方

推しに会いに行く

ライブやイベントへの参加は推し活の王道です。近年は「メタバース推し活」も注目されており、仮想空間でのバーチャルライブやアバターを通じた交流イベントなども開催されています。

推しのグッズを集める

グッズ収集も推し活の大きな楽しみの一つです。最近は透明な窓が付いた「見せバッグ」や、アクリルスタンドを飾るための専用ケースなど、集めたグッズを美しくディスプレイする「見せる収納」がトレンドです。

推し活カフェ巡り

推しの色(メンバーカラー)のドリンクやスイーツが楽しめる「推し活カフェ」が人気です。東京の新大久保や渋谷などには、グッズを並べて写真撮影ができるスポットを備えたカフェが数多くあります。

推しを感じる場所へ行く

「聖地巡礼」も推し活の定番です。推しが出演した映画のロケ地や、アニメの舞台になった場所を訪れることで、作品の世界観をより深く体験できます。

推しの良さを広める

SNSを使い、推しの魅力や功績を友人やフォロワーに伝える「布教活動」も重要な推し活です。ファンが増えることは、推しの活動の幅を広げることに繋がります。

2025年推し活おすすめグッズ5選

1. 推し活ポーチ

片面が透明窓になったポーチで、缶バッジやアクリルキーホルダーなどを傷つけずにアピールできます。

2. クリアキーホルダー

お気に入りの写真やカードを入れて持ち歩ける透明なキーホルダー。自分だけのオリジナルグッズが作れます。

3. デコうちわ

平成リバイバルの影響で、ラインストーンやホログラムシートで応援うちわをデコる文化が再燃しています。

4. 推し活キャリーケース

遠征(ライブなどで遠方の都市へ行くこと)をより楽しくする、推し色や推しのモチーフを取り入れたキャリーケースが注目されています。

5. NFTデジタルグッズ

デジタル時代の新しいグッズとして、推しの限定ボイスメッセージやデジタルアートなど、ブロックチェーン技術を活用したNFTコレクションも登場し始めています。

推し活が社会に与える光と影

「推し活」は個人の楽しみにとどまらず、現代社会に対してポジティブな影響と、向き合うべき新たな課題の両方をもたらしています。

ポジティブな社会的影響

経済効果と地方創生への貢献

年間6,840億円と推計される市場規模が示す通り、推し活は日本の経済に大きな影響を与えています。グッズ販売やイベント開催だけでなく、「聖地巡礼」や地方でのコンサートは、地域経済を潤す「地方創生」の起爆剤にもなっています。アニメの舞台となった町や、推しの出身地にファンが訪れることで、交通機関、宿泊施設、飲食店などが活性化し、新たな観光資源が生まれています。

コミュニティ形成と心の支え

推し活は、共通の「好き」を通じて人々を繋げ、新しいコミュニ-ティを生み出す役割も担っています。学校や職場とは異なる居場所を持つことは、孤独感の解消や自己肯定感の向上に繋がり、多くの人にとって日々の活力や精神的な支えとなっています。

現代社会が直面する課題

オーバーツーリズムとの関連

2025年の大阪・関西万博のように、大規模なイベントが開催される期間は、国内外から多くの観光客が集中します。その時期に都市部でライブなどが重なると、交通機関の麻痺や宿泊施設の異常な価格高騰を招き、「オーバーツーリズム」をさらに加速させる一因となる可能性が懸念されています。これにより、ファンの遠征が困難になるだけでなく、地域住民の生活にも影響が及ぶ場合があります。

経済的な負担と高額転売問題

続く物価高騰の中、CDやグッズ、ライブチケットなどへの出費が家計を圧迫し、経済的な負担が大きくなる問題が指摘されています。また、人気のチケットや限定グッズが業者によって買い占められ、フリマアプリなどで法外な価格で転売される問題も深刻化しており、本当に欲しいファンに届かないという事態が頻発しています。

SNSでのトラブルと精神的疲労(推し疲れ)

SNSはファン同士が繋がる便利なツールである一方、過度な誹謗中傷やファン同士の対立の温床ともなっています。推しへの解釈の違いや、他のファンへの嫉妬心からトラブルに発展するケースも少なくありません。常に最新情報を追いかけなければならないというプレッシャーや、ネガティブな情報に触れ続けることによる「推し疲れ」も、現代の推し活が抱える精神的な課題です。

進化し続ける推し活文化

推し活は単なる趣味を超え、現代社会における重要な文化現象となっています。AIやメタバースなどの最新テクノロジーとの融合、多世代への広がり、そして巨大な経済効果など、その影響力は年々拡大しています。

2025年の推し活は「デジタル化」「体験重視」「多様化」がキーワード。推しを通じて得られる充実感や仲間との絆は、多くの人にとってかけがえのない価値を提供しています。自分らしいスタイルで、素敵な推し活ライフを楽しんでくださいね。


参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times