「写ルンです」が再びブーム!Z世代を魅了する「エモい」フィルム写真の世界

2025年、あの懐かしの「写ルンです」が若者を中心に再び大ブームを巻き起こしています。デジタル全盛の時代に、なぜフィルムカメラが注目されているのでしょうか?

写ルンですとは?39年の歴史を持つ革新的カメラ

「写ルンです」は、1986年に富士フイルムから発売された世界初の「レンズ付きフィルム」として誕生しました。これまでに世界累計17億本以上が販売され、2025年で発売から39年を迎えるロングセラー商品です。

発売当初は本格的なフィルムカメラが高価で扱いにくかった時代背景の中、「フィルムにレンズを付ける」という逆転の発想から生まれました。コンセプトは「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に」写真を撮れること。最盛期の1997年には日本国内だけで約9000万台ものレンズ付きフィルムが販売された記録的なヒット商品でした。

現在販売中のモデル

現在は「フジカラー写ルンです 27枚撮り」(旧名称:写ルンです シンプルエース)の1モデルのみが販売されています。2025年4月には約44%の大幅値上げが実施され、直販価格は2,860円となりました。同時にパッケージも従来の袋タイプから紙箱タイプに変更され、より高級感のあるデザインになっています。

基本仕様

  • フィルム:ISO400 135フィルム
  • 撮影枚数:27枚
  • レンズ:f=32mm F=10 プラスチックレンズ1枚
  • シャッタースピード:1/140秒
  • 撮影距離範囲:1m〜無限遠
  • 重量:90g

2025年のブーム再燃!なぜZ世代に人気なのか?

「エモい」写真への憧れ

2018年に「エモい」という言葉が10代女子の流行語ランキングで1位になったのをきっかけに、ノスタルジックな写真が撮れるフィルムが再注目されるようになりました。写ルンですで撮影した写真は、光の加減や被写体の距離によって1980年代ごろのカメラで撮影されたかのような独特の味わいを生み出します。

「あえて待つ」楽しさの再発見

タイパ(タイムパフォーマンス)世代と呼ばれる若者たちに、「あえて待つ」という体験が新鮮な価値として受け入れられています。現像するまで写真を確認できないワクワク感や、1枚1枚を大切に撮る緊張感が、スマホ撮影とは異なる特別な体験として評価されています。

SNS映えする「彼女感/彼氏感」

フィルム写真特有の自然体な雰囲気が「彼女感/彼氏感」を演出できると評価され、SNSでも話題になっています。デジタル加工では再現できない、フィルムならではの柔らかい質感が人気の理由です。

初めての「写ルンです」基本的な使い方と撮影のコツ

  1. フィルムを巻く: まずは本体裏側にある巻き上げダイヤルを「カチッ」と止まるまで回します。これが撮る前のお作法です。
  2. フラッシュを焚く: 室内や逆光、曇りの日など、少しでも暗いと感じたら必ず本体正面のフラッシュボタンをスライドさせて充電しましょう。赤いランプが点灯したら準備OKのサインです。
  3. 被写体との距離: 最短撮影距離は1mです。近すぎるとピントが合わず、ぼやけた写真になるので注意しましょう。
  4. よくある失敗例と対策:
    • 指写り: レンズのすぐ近くに指を置いてしまいがち。撮影前に指の位置を確認。
    • フラッシュの炊き忘れ: 暗い場所での撮影は、フラッシュなしではほぼ真っ暗に写ります。
    • 近すぎる被写体: 1m以上離れることを意識するだけで、写真のクオリティがぐっと上がります。

2025年最新!「写ルンです+」アプリが登場

革新的な現像サービス

2025年5月28日、富士フイルムはスマートフォン専用アプリ「写ルンです+(プラス)」の提供を開始しました。このアプリにより、現像がより手軽で楽しくなりました。

「写ルンです+」の主な機能

  • 簡単現像注文:アプリで注文後、コンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート)から発送するだけ
  • データ受け取り:約1週間で現像した写真の画像データをアプリで受け取り
  • 写真整理機能:「マイフィルム」でフィルムごとに画像を整理、名前やコメントも追加可能
  • 動画作成:「フォトムービー」機能で4種類のテンプレートからスライドショー動画を作成
  • プリント注文:ハーフサイズプリントなど、お気に入りの写真をプリント注文

現像料金とサービス内容

  • 現像料:2,420円(27枚/36枚同価格)
  • 対応フィルム:写ルンですのほか、富士フイルムのカラーネガフィルム各種
  • 発送方法:ヤマト運輸の宅急便コンパクト専用BOX使用

写ルンですの購入方法と価格情報

2025年現在、写ルンですは品薄状況が続いており、家電量販店では「おひとり様1台限り」などの購入制限がかけられています。観光地や旅行先で急に必要になった場合は、入手が困難な場合があります。

主な購入場所と価格

写真専門店・家電量販店

  • カメラのキタムラ
  • ビックカメラ
  • ヨドバシカメラ
  • コジマ
  • ジョーシン

その他の店舗

  • ドン・キホーテ(一部店舗)
  • LOFT
  • ナフコ
  • コンビニ(取り扱い店舗は限定的)

ネット通販

確実に購入したい場合はAmazonや楽天市場などがおすすめですが、定価より高く販売されているケースもあるため価格確認が重要です。

現像・データ化の最新事情

現像可能な店舗

持ち込み可能

  • カメラのキタムラ(最短1時間仕上げ)
  • カメラのナニワ
  • パレットプラザ
  • コイデカメラ
  • ビックカメラ
  • カメラの三和

郵送対応

  • プリネットワン
  • トイラボ
  • 八百富フィルム現像所
  • コイデカメラ

料金目安

  • 現像のみ:約600~950円
  • 現像+プリント:約1,000~1,800円
  • 現像+CD化:約1,000~1,600円
  • 現像+スマホ転送:約1,000~1,800円

※トータルコスト例

  • 本体:2,860円
  • 現像+データ化:約1,500円
  • 合計:約4,360円(1枚あたり約161円)

フィルムカメラ市場の今後と選択肢

近年、写真フィルムは原材料価格や輸送コストの高騰により、大幅な値上げが続いています。2023年以降、各メーカーで最大88%の値上げも発表されており、フィルム写真は贅沢な嗜好品になりつつあります。

おすすめの本格フィルムカメラ

写ルンですでフィルムの魅力を感じたら、以下のようなカメラもおすすめです。

初心者向け

  • KODAK「ULTRA F9」:レトロデザインで約170g
  • ILFORD「SPRITE 35-Ⅱ」:写ルンです感覚で使える再利用可能カメラ
  • 富士フイルム「チェキ instax mini 40」:即座にプリントが楽しめる

中級者向け

  • RICOH「GR1」:高級コンパクトカメラの名機
  • Canon「AE-1 Program」:世界的ベストセラー一眼レフ
  • MINOLTA「X-700」:18年間売れ続けたロングセラー

フィルム風写真が撮れるスマホアプリ15選

本格的なフィルムカメラを購入する前に、アプリで写ルンです風の写真を楽しむのもおすすめです。

無料で楽しめるアプリ

  • FIMO:フィルムカメラの粒度や色、シャッター音まで再現
  • Huji Cam:写ルンですに似たデザインと操作感
  • 1998 Cam:100種類以上のフィルター搭載
  • KUNI Cam:190以上のフィルター効果を組み合わせ可能
  • DAZZ:80年代フィルムカメラ風の色や質感

高機能な有料・一部有料アプリ

  • PhotoDirector:PC版の多機能画像加工ソフトのモバイル版
  • EE35:フィルムカメラの操作感を完全再現
  • OldRoll:複数のビンテージカメラ体験
  • Fomz:写真の裏にメモを残せるユニークな機能
  • VNTG カメラ:25種類以上のビンテージカメラフィルター

特殊機能付きアプリ

  • NOMO CAM:50種類以上のカメラ、二重露光機能
  • InstaMini:チェキ風撮影、1日10枚制限でリアル感を演出
  • CALLA:手動ピント合わせ機能付き
  • Filmlike Camera:100円買い切り、28種類のフィルター
  • 写ルンです+:富士フイルム公式、実際の現像サービス連携

デジタル時代だからこそ光るフィルムの魅力

2025年現在、「写ルンです」は世界累計17億本以上の販売実績を持つ歴史あるカメラでありながら、Z世代を中心とした若い世代に新鮮な魅力を提供し続けています。デジタル全盛の時代だからこそ、再評価されている以下の特徴。

  • 待つ楽しさ:現像までのワクワク感
  • 一期一会:27枚という制限による一枚一枚の大切さ
  • 独特の質感:デジタルでは再現できないフィルムならではの温かみ
  • リアルな体験:SNS映えを狙わない自然体の瞬間

値上げや品薄といった課題はありますが、「写ルンです+」アプリの登場により現像がより手軽になり、フィルム写真の楽しみ方がさらに広がっています。

スマホで気軽に何百枚も撮る時代だからこそ、限られた27枚で切り取る特別な瞬間を、ぜひ「写ルンです」で体験してみてはいかがでしょうか。

参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times