純喫茶とは? "純"の意味やカフェとの違い、ブームや魅力も紹介

昭和レトロブームが加速する中、純喫茶への注目がかつてないほど高まっています。特に10代~20代のZ世代を中心に、SNSで「#純喫茶」の投稿が48万件、「#クリームソーダ」が41.5万件を超えるなど、デジタルネイティブ世代が昭和の喫茶文化に新たな価値を見出しています。2025年3月末で話題の「喫茶二十世紀」も閉店が決定したなか、台湾人観光客も殺到する純喫茶ブームの実態とは。
純喫茶とは? 現代に蘇る昭和の文化
純喫茶の"純"に込められた意味
純喫茶の「純」は、純粋にコーヒーを楽しむための喫茶店という意味を持ちます。大正から昭和初期のカフェ黎明期には、銀座のカフェー・プランタンやカフェー・ライオンなど、男性の社交場として栄えたカフェーが存在していました。森鷗外、北原白秋、谷崎潤一郎といった文化人も通っていたこれらの店では、アルコール類や華やかに着飾った女給による接客が主流でした。
このような「特殊喫茶」との差別化を図るため、コーヒーをメインで取り扱う店を「純喫茶」と呼ぶようになったのが始まりです。
現代における純喫茶の定義
2021年5月の食品衛生法改正により、純喫茶とカフェの営業許可に法律上の違いはなくなりました。現在では、以下の特徴を持つ店舗が純喫茶と呼ばれる傾向にあります。
- こだわりのコーヒーを一杯ずつ丁寧に抽出
- 落ち着いた雰囲気のカウンター席
- 昭和レトロな内装とノスタルジックな空間
- 注文後に抽出する本格的なコーヒー
なぜ今、純喫茶がZ世代に刺さるのか?
SNSが生んだ新たな純喫茶体験
純喫茶ブームの立役者である難波里奈さん(東京喫茶店研究所二代目所長)は、SNSフォロワー約10万人を持ち、これまで全国2000軒以上の純喫茶を訪問しています。彼女は「スマートフォンを使って気軽にお店の情報を伝えることができ、雰囲気やメニューの詳細まで事前に知ることができるようになった」と、SNSが純喫茶の敷居を下げた要因について語っています。
カラフルなクリームソーダがSNS映えの象徴
クリームソーダは「第3のインスタ映えドリンク」として若い女性を中心に人気を集めており、Instagramでは「#クリームソーダ」の投稿が41.5万件に及ぶなど、その注目度の高さが伺えます。カラフルで華やかな見た目は、レトロな内装とのコントラストで若者の目を惹き、写真映えも抜群です。
エモさの正体:「生きた建築」としての価値
建築学の専門家によると、純喫茶の魅力は単なる昭和レトロではなく「生きた建築」としての価値にあります。1960~70年代に建てられた純喫茶は、「人生をかけて自分の城をつくる」というオーナーの熱意が空間に表れており、採算度外視の自己表現が若者に新鮮な驚きを与えているのです。
海外からも注目!国際的な純喫茶ブーム

台湾での純喫茶人気が沸騰
台湾では地元の雑誌でも日本の純喫茶が特集されており、虎ノ門の『ヘッケルン』はSNSを通じて海外で話題になって、開店前から行列ができている状況です。
2024年の訪日台湾人数は604万4,400人で過去最高を記録し、消費額は初の1兆円を超えた中、純喫茶は重要な観光スポットとして機能しています。年代や国籍を問わず多くの人にアピールできる魅力が、純喫茶をブランド化させています。
2025年最新版〜話題の純喫茶名店4選〜
東京都上野:コーヒーショップギャラン
ナポリタンやオムライス、カレーライスなどのフードメニューが充実した老舗純喫茶。店舗入り口横にある食品サンプルもレトロ感満載で、上野の懐かしい街並みとともに昭和の雰囲気を満喫できます。
※注意点: 全席喫煙可能なため、20歳未満の入店が制限されています。
北海道札幌:純喫茶オリンピア
1964年の東京オリンピック開催年にオープンした歴史ある純喫茶で、Instagramのフォロワーは5000人を超える人気店です。こだわりのコーヒーと自家製プリン、スイーツアラカルトが評判で、7代に渡って受け継がれる秘伝のナポリタンは絶品です。
営業情報: 10:00~18:00、土日・祝日定休(月に一度の土曜営業日あり)
大阪難波:純喫茶アメリカン
昭和21年創業の老舗で、小さな子ども連れの家族や若者も入りやすい雰囲気が魅力。店内の生花や調度品が特別感を演出し、大阪発祥といわれるミックスジュース、常連客に愛されるホットケーキやフルーツアラモードなどの名物スイーツを堪能できます。
純喫茶の魅力を最大限に楽しむ方法

こだわりのコーヒー体験
純喫茶では、お店独自のブレンドや希少なスペシャルティコーヒーが楽しめます。カフェチェーンの作り置きとは異なり、注文が入ってから丁寧に抽出される一杯は、コーヒーの奥深さを教えてくれます。
昭和レトロなフードとスイーツ
- クリームソーダ: カラフルで写真映え抜群、様々なフレーバーを楽しめる
- プリンアラモード: 生クリームたっぷりの華やかなデザート
- ナポリタン: 懐かしい味わいの定番メニュー
- オムライス: ふんわり卵の温かみある一品
- ホットケーキ: 厚みのあるクラシックなスタイル
特別な空間での気分転換
静かな曲が流れる店内、コーヒーの香り、ゆったりとしたソファで過ごす時間は、日常の慌ただしさを忘れさせてくれます。淹れたてのコーヒーには集中力を高める効果やリラックス効果もあるといわれており、心身のリフレッシュに最適です。
2025年、純喫茶文化の未来
政府は2030年に「訪日外国人客6000万人」の目標を掲げており、純喫茶は日本文化体験の重要なコンテンツとして位置づけられています。難波里奈さんは「ブームで終わらず、自分の生活の一部になったなら嬉しい。純喫茶は年齢や性別関係なく誰もが集える場所」と語っており、一時的な流行を超えた文化的価値の定着が期待されています。
純喫茶で見つける新たな日常
純喫茶は「常連客が多くて入りづらそう」というイメージがありましたが、SNSの普及と昭和レトロブームにより、利用客層が大きく広がっています。Z世代にとって「懐かしい」というより「新鮮」な体験として受け入れられている純喫茶は、現代のデジタル社会において貴重なアナログ空間としての価値を提供しています。
時代を超えて愛される純喫茶の魅力を、ぜひあなたも体験してみてください。
参考
- LEON レオン オフィシャルWebサイト「昭和レトロな喫茶店『純喫茶ブーム』を知ってますか?」
- @DIME アットダイム「なぜ若者たちがハマるのか?『東京喫茶店研究所』所長に聞く純喫茶ブームの楽しみ方」
- Kindai Picks「純喫茶がエモい!昭和レトロだけでは語れない『生きた建築』の魅力を専門家と解き明かす」
- 喫茶二十世紀 公式サイト
- ORICON NEWS「20th Century『喫茶二十世紀』神宮前に11・1オープン」
- 音楽ナタリー「20th Centuryが喫茶店をオープン、オリジナル曲流れる店内でコーヒーやたまごサンド提供」
- SASARU「純喫茶『ブーム到来中』レトロなかわいさが"新鮮"」
- nippon.com「2024年の訪日客数3686万人、過去最多更新―日本政府観光局」
- 訪日ラボ「2024年の訪日台湾人数は604.4万人で過去最高、消費額は初の1兆円超え」
- ワンメディア株式会社「第3のインスタ映えドリンクとして流行中のクリームソーダ!」