平成レトロが止まらない!Z世代を魅了する「エモかわ」文化の全貌

令和7年(2025年)の今、なぜ平成がこんなにも「エモい」のか? 昭和レトロブームに続き、平成レトロが若者を中心に大ブレイク中です。記憶に新しい2024年には、プロバスケットボールチームの川崎ブレイブサンダースが「平成レトロDAYS」イベントを実施するなど、企業も続々と参入。

この記事では、平成レトロの魅力から最新トレンド、推し活との融合まで、現在の視点から徹底解説します。

平成レトロとは? デジタル×アナログの絶妙なバランス

平成レトロとは、1980年代後半から2000年代初期にかけて流行した文化に再び焦点を当て、当時を再体験するムーブメントです。現在のデジタル一辺倒とは一線を画す、デジタルとアナログが融合した独自性や、明るくポジティブな雰囲気を感じさせるアイテムやデザインが特徴的です。

平成レトロの3つの特徴

  • 華やかで装飾的なデザイン:ビビッドな色味と"良い意味での無駄"が魅力
  • 前向きなエネルギー:世紀末のポジティブでキラキラとした雰囲気
  • 程よいデジタル感:MDプレーヤーやデジタルカメラなど、懐かしいテック感

Y2Kとの違いを知っておこう

混同されがちな「Y2K」ですが、実は微妙な違いがあります。

  • 平成レトロ:日本国内の平成文化全般を懐かしむ、幅広い世代向け
  • Y2K:2000年前後のギャルカルチャーを参考にした、主にファッション中心のトレンド

興味深いことに、光沢のある素材やネオンカラーなどで近未来的なイメージを醸し出すサイバーテイストが、「Y3K」ファッションとして新たなトレンドを形成しつつあります。

平成レトロを象徴する近年の動き

  • 川崎ブレイブサンダース「平成レトロDAYS」:2024年2月に実施された同イベントでは、平成レトロ風デザインのオリジナルステッカー配布やフォトスポット設置などを実施。スポーツ界にも平成レトロの波が到来しました。
  • サンキューマート×お茶犬コラボ:2024年2月中旬から、2000年代に一世を風靡した「お茶犬」とのコラボ雑貨を限定販売。推し活でも使えるアイテム展開で大きな話題を呼びました。
  • 渋谷モディ「平成レトロ~あなたの推しをみつけよう~」:2024年7月31日~8月13日に開催された注目イベント。平成レトロと推し活を融合させた新しい体験を提供しました。

なぜ今、平成レトロなのか?3つの理由

1. 幅広い世代が楽しめる「懐かしさ」と「新しさ」

当時を知る世代には懐かしさを、知らない10代には新鮮さを提供します。同じコンテンツを異なる視点で楽しめるのが平成レトロの強みです。

2. エモ消費との親和性

理屈を超えた感情的な満足度を重視する「エモ消費」という現代の消費傾向が、平成レトロブームの追い風になっています。

3. 閉塞的な現代への反動

コロナ禍や不景気など、何かと制限が多い時代への反動として、明るく前向きな平成の空気を楽しもうとする意志の現れという側面もあります。

平成レトロを象徴するアイテム&カルチャー

写真・カメラ文化

  • デジタルカメラ・写ルンです:あえての低画質が"エモい"と再評価。
  • チェキ:平成に誕生し、今や"推し活"の代名詞ともいえる存在に。

音楽シーン

1990年代〜2000年代初頭のJ-POPが、TikTokなどを通じて若者に再拡散されリバイバルヒットしています。

ゲーム・おもちゃ

  • たまごっち:今なお新機種が発売される人気シリーズ。2024年7月には、ハイパーヨーヨーの新シリーズも登場しました。
  • トレーディングカードの価格高騰や、レトロゲーム機の「ミニ版」も人気です。

Y2Kファッション

Y2Kファッションはトレンドを超え、一つのジャンルとして確立しており、2025年も人気が継続しています。

  • 厚底ブーツ・ロングブーツ
  • ミニスカート
  • ホーボーバッグ

キャラクター復活

  • サンリオキャラクター:ハローキティ50周年効果もあり、コロコロクリリンなどが再評価。
  • San-xキャラクター:たれぱんだ、こげぱん、アフロ犬などがリバイバル。
  • 話題のキャラクター:「ナカムラくん」など、当時人気を博したキャラクターがSNSを中心に「かわいい」「エモすぎる」と再熱しています。

平成レトロ×推し活の最強コンビ

共通点は「デコ文化」:推しのカードをシールなどでデコレーションする文化は、平成の「シール帳」や「ブロマイド帳」の文化と通じるものがあり、親和性が高いのが特徴です。アクリルスタンドなども平成レトロ風デザインのものが人気を集めています。

企業の平成レトロマーケティング事例

食品業界の取り組み

  • マクドナルド「平成バーガー大復活!」2023年5月のキャンペーン。池田エライザさんが平成のスター達に扮したTVCMが大きな話題に。
  • チロルチョコ「平成チロル」平成にブームとなったティラミスとタピオカミルクティーのフレーバーを、デコメ絵文字風パッケージで展開(2023年)。

レトロブームの系譜:昭和から平成、そして未来へ

2025年現在、『昭和レトロ』も『Y2K』も、それぞれがジャンルとして確立され並行して楽しまれています。専門家の間では、平成後期(2010年代)の文化が次の「レトロ」として注目される可能性も示唆されています。

平成レトロは一過性ブームを超えた文化現象

平成レトロは単なる懐古趣味ではなく、「エモ消費」「推し活」「多様性重視」という現代的な価値観と見事に融合した新しい文化現象です。ファッションの20年周期説にも後押しされ、Y2Kを含む平成レトロは、今後も一つのカルチャーとして定着していくでしょう。

2025年後半からの注目ポイント

  • Y3Kトレンドの本格化
  • 推し活×平成レトロアイテムのさらなる進化
  • 企業コラボの多様化とリアル体験イベントの拡大

平成レトロの世界は、懐かしさと新しさが共存する特別な空間。 あなたも自分なりの「平成レトロ」を見つけて、この文化現象を楽しんでみませんか?

参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times