【完全版】雲の種類(十種雲形)と名前一覧!できる仕組みや天気との関係をわかりやすく解説

ふと空を見上げたとき、「あの雲、何ていう名前だろう?」「こんな雲が出てるから、明日は雨かな?」なんて考えたことはありませんか?

私たちの頭上に広がる空には、毎日いろんな形の雲が浮かんでいます。実はそれぞれの雲が、今の空の状態やこれからの天気を教えてくれるサインを出しているんです。

この記事では、雲ができる仕組みから、世界共通の分類である「十種雲形(じゅっしゅうんけい)」の特徴、そして雲の形から天気を読み解く昔ながらの知恵「観天望気(かんてんぼうき)」までをご紹介します。

これを読めば、ただの風景だった空が、ちょっと違って見えてくるかもしれません。

雲とは?どうして空に浮かんでいるの?(雲ができる仕組み)

毎日当たり前のように見ている雲ですが、そもそも何でできていて、どうして重力のある地球で落ちてこないのでしょうか。まずはその不思議から見ていきます。

水蒸気が冷やされて「水滴」や「氷の粒」になったもの

雲の正体は、空気中に含まれる「水蒸気」が冷やされて目に見えるようになった「水滴」や「氷の粒」の集まりです。

地面や海面が太陽の熱で温められると、そこにある空気も温められて軽くなり、空高く昇っていきます。これが「上昇気流」です。空気が上空へ昇っていくと、気圧が下がって空気が膨張し、上空に行くほど次第に温度が下がっていきます。

空気が冷やされると、含みきれなくなった水蒸気が空気中の細かなチリなどを芯にして、ごく小さな水滴や氷の粒(氷晶)に変わります。これが無数に集まって空に浮かんでいるのが、私たちが目にする「雲」なのです。

雲が落ちてこない理由

「水滴や氷の粒なら、重力で落ちてこないの?」と思いますよね。実は、雲の粒は空にピタッと留まっているわけではなく、非常にゆっくりとしたスピードで空から落ちています。

雲の粒は直径約0.02mmととても小さく、落ちるスピードは1秒間にわずか1〜2cmほど。一方で、雲ができている場所には、常に下から上へと向かう上昇気流が吹いています。

この下から吹き上げる風のスピードの方が、雲の粒が落ちるスピードよりも速いため、私たちの目には空に浮かんで留まっているように見えるというわけです。

雲と雨・雪の関係

では、そこからどうやって雨や雪が降ってくるのでしょうか。

雲の中では、小さな水滴や氷の粒が風に揉まれてぶつかり合い、くっついて少しずつ大きくなっていきます。粒が成長して重くなると、下から吹き上げる上昇気流だけでは支えきれなくなります。

こうして上昇気流に逆らって地上へ落ちてきたものが「雨」や「雪」です。暖かい空気と冷たい空気がぶつかる前線や、空気が集まる低気圧の周辺では強い上昇気流が生まれ、こうした雨や雪を降らせる雲が発達しやすくなります。

雲の種類は高さと形で決まる!基本の「十種雲形」一覧

世界中で見られるいろんな形の雲ですが、気象学の世界では「十種雲形(じゅっしゅうんけい)」という10種類の基本形に分けられています。雲ができる「高さ」と「形」に注目すると、意外と簡単に見分けられますよ。

高度の分類雲ができる高さ雲の種類(名称)主な構成成分特徴のキーワード
上層雲約5km〜13km巻雲、巻積雲、巻層雲氷の粒(氷晶)輪郭がぼやける、透き通る
中層雲約2km〜7km高積雲、高層雲、乱層雲水滴と氷の粒が混在空が暗くなる、影ができる
下層雲地上付近〜約2km層積雲、層雲、積雲主に水滴生活に身近、輪郭がくっきり
対流雲下層から上層まで積乱雲水滴と氷の粒が混在垂直に巨大化、雷雨をもたらす

それぞれの雲の特徴と、空を見上げたときの見分け方をご紹介します。

【上層の雲】巻雲・巻積雲・巻層雲(氷の粒でできた高い雲)

上空5kmから13kmの非常に高い場所にできるのが「上層雲」。気温がマイナス数十度になるため、雲はすべて氷の粒でできていて、輪郭がぼやけたり透き通ったりして見えるのが特徴です。

  • 巻雲(けんうん) / 別名:すじ雲
    空の一番高い場所に現れる、白い糸や繊維のような形をした雲。上空の強い風に流されてほうきで掃いたような跡に見えたり、釣り針のように先が曲がっていたりします。太陽の光を遮らない美しい透け感があります。
  • 巻積雲(けんせきうん) / 別名:うろこ雲、いわし雲、さば雲
    小さな白い塊が、空の広い範囲に波打つように並んでいる雲。腕を真っ直ぐ伸ばして小指を立てたとき、「小指の爪の中に雲の粒が隠れるくらい」の小ささなら巻積雲です。秋の空によく見られます。
  • 巻層雲(かんそううん) / 別名:うす雲
    空全体をベールのように薄く覆う白い雲。氷の粒が太陽や月の光を曲げることで、周りに「光の輪(暈・日暈)」を作り出すのが特徴。この雲が出ると、天気が下り坂になることが多いです。

【中層の雲】高積雲・高層雲・乱層雲(水と氷が混ざる雲)

上空2kmから7kmの高さにできるのが「中層雲」。水滴と氷の粒が混ざり合っていて雲に厚みが出てくるため、空が少し暗く感じられます。

  • 高積雲(こうせきうん) / 別名:ひつじ雲
    うろこ雲を少し大きくしたような、丸みのある白い塊が規則正しく並ぶ雲。腕を伸ばして「人差し指から中指くらいの太さ」の塊に見えれば高積雲です。雲の底にうっすらと灰色の影ができ、すき間から青空が見えます。
  • 高層雲(こうそううん) / 別名:おぼろ雲
    空全体を灰色や薄青色の膜で覆う、すりガラスのような雲。巻層雲よりも厚みがあり、太陽の光がぼんやりと透けて見えるのが見分け方のポイント。影ができるほど地上を強く照らしません。
  • 乱層雲(らんそううん) / 別名:あま雲、ゆき雲
    低い場所の空全体をどんよりと覆う、暗い灰色の厚い雲。太陽の光を完全に遮ってしまうため、日中でも空がかなり暗くなります。しとしとと雨や雪を降らせる典型的な雨雲です。

【下層の雲】層積雲・層雲・積雲(水滴でできた低い雲)

地上付近から上空約2kmまでの低い場所にできるのが「下層雲」。主に水滴でできており、私たちが生活の中で一番よく目にする雲のグループです。

  • 層積雲(そうせきうん) / 別名:うね雲、くもり雲
    大きな塊が並んだり、畑の畝(うね)のような波模様を作ったりする、日本で最もよく見られる雲です。腕を伸ばして「自分の握りこぶしくらいの大きさ」の塊なら層積雲。空全体を覆って「くもり」の天気を作ることが多いです。
  • 層雲(そううん) / 別名:きり雲
    10種類の雲の中で一番低い場所に現れる、霧のような雲。山の斜面にかかっていたり、雨上がりに地表近くを漂っていたりします。積乱雲のように大きくはならないので、雷を伴うことはありません。
  • 積雲(せきうん) / 別名:わた雲
    よく晴れた日にぽっかりと浮かぶ、綿菓子のようにモコモコした雲。太陽の光を浴びた上部は真っ白に輝き、平らな底の部分は少し暗い灰色をしています。天気が良い日の象徴的な雲ですね。

【縦に発達する雲】積乱雲(雷雨をもたらす巨大な雲)

低い場所で発生した雲が、強い上昇気流に乗って上空高く(場合によっては10km以上の成層圏付近まで)垂直に成長したものです。

  • 積乱雲(せきらんうん) / 別名:入道雲、雷雲
    巨大な山や塔のように、もくもくと縦に高くそびえ立つ危険な雲。主に夏の晴れた日に発達し、激しい夕立や雷雨をもたらします。雲の中で氷の粒が激しくこすれ合って静電気が発生し、それが一気に放出されることで「雷」が起こります。頂上が平らに広がったり、雲の底が真っ黒になったりすると、竜巻やひょうを伴うこともあるため要注意です。

雲を見て天気を予測!昔ながらの知恵「観天望気(かんてんぼうき)」

スマホで簡単に天気予報が見られる時代ですが、昔の人は空の色や雲の形、動物の行動などを観察して天気を予測していました。これを「観天望気(かんてんぼうき)」と呼びます。

単なる迷信と思われがちですが、実はその多くが気圧や湿度の変化といった科学的な根拠を持った自然のサイン。日常で使える代表的なものをいくつかご紹介します。

雨が降るサイン

こんなサインが空に現れたら、天気が下り坂に向かう前触れ。お出かけの際は傘の準備を。

  • うす雲(巻層雲)から、うろこ雲(巻積雲)へ変わる
    空全体を覆う薄い雲が次第にうろこ雲へ変わっていくときは、上空の空気が乱れている証拠。天候が悪化する兆しです。
  • 太陽や月に「光の輪(暈・かさ)」がかかる
    うす雲を構成する氷の粒が、太陽や月の光を曲げることで起こる現象。この雲は雨を降らせる低気圧や前線が近づいてくるときに最初に現れるため、「カサをかぶると雨」という有名なサインになっています。
  • ちぎれ雲が現れる
    暗い灰色の雨雲の下を、風でちぎれたような形の不規則な雲が速いスピードで流れているときは、雨が間近に迫っている前触れです。
  • ツバメやトンボが低く飛ぶ(動物のサイン)
    雨が近づいて湿度が高くなると、エサとなる小さな昆虫の羽が水分で重くなり、高く飛べなくなります。それを追うツバメやトンボも自然と低空飛行になります。

晴れが続くサイン

週末のお出かけや洗濯の計画に役立つ、良い天気が続くサインも空には隠されています。

  • 綺麗な夕焼けが見える
    日本の天気は上空の偏西風に乗って「西から東」へと変わります。太陽が沈む西の空が赤く焼けて見えるのは、西側に雨雲がなく晴れている証拠。翌日も晴天になる可能性が高いです。
  • 朝、谷間などに霧(層雲)が立ち込めている
    よく晴れて風の弱い夜に、地面の熱が奪われる「放射冷却」が起こると朝霧が発生しやすくなります。放射冷却が起きるということは上空に雲がない(高気圧に覆われている)証拠なので、その日は一日中晴れが続きます。
  • 煙がまっすぐ東になびく
    煙が東へ流れるということは西風が吹いているということ。西から高気圧が張り出してきているサインであり、好天が期待できます。

ゲリラ豪雨や竜巻に注意すべき危険な雲

夏の時期など、突然の激しい雷雨(ゲリラ豪雨)や突風、竜巻から身を守るためには、危険なサインをいち早く察知して避難することが大切です。

  • 「かなとこ雲」が見える巨大な積乱雲
    積乱雲が限界まで発達すると、雲の頂上が成層圏付近の境目にぶつかって平らに広がり、鍛冶屋が使う「金床(かなとこ)」のような形になります。この雲の下では、猛烈な雨や雷、ひょうが降っている可能性が非常に高いです。
  • 雲底から垂れ下がる「漏斗雲(ろうとうん)」
    積乱雲の暗い底から、ソフトクリームの先端のように細長く垂れ下がった雲が見えたら大変危険。これが発達して地上に到達すると「竜巻」になります。
  • 急に冷たい風(ヒヤッとした風)が吹く
    生暖かい日中に、急に「ヒヤッ」とした湿った冷たい風が吹いてきたら要注意。これは上空の冷たい空気が雨粒と一緒に地上へ引きずり下ろされてきた風で、数分後には激しいゲリラ豪雨や雷がやってくる確実なサインです。

よくある疑問・気になる珍しい雲の正体

空を見上げていると、「飛行機雲がなかなか消えない」「雲が虹色に光っている」といった不思議な現象に出会うことがあります。よくある疑問や珍しい雲の正体について解説します。

飛行機雲ができる条件とは?(天気が崩れるサイン?)

青空を一筋の白い線が横切る「飛行機雲」。実はこれも人工的な雲で、「飛行機雲が長く消えないと雨が降る」という観天望気は科学的にも正しい見解です。

飛行機のエンジンから出る高温の排気ガスに含まれる水蒸気が、上空のマイナス数十度の冷たい空気で一気に冷やされ、氷の粒になることで飛行機雲は発生します。冬の寒い日に吐く息が白く見えるのと同じ原理です。

上空の空気が乾燥していれば、氷の粒はすぐに蒸発して消えてしまいます。しかし、空気が湿っていると氷の粒は蒸発できずに長く空に残り続けます。上空に湿った空気が流れ込んでいるということは、雨を降らせる低気圧や前線が近づいている証拠。だからこそ、飛行機雲が太く長く残る日は天気が崩れやすくなるのです。

「地震雲」って本当に存在するの?

ネットやSNSで「筋状の不気味な雲を見た。大地震の前兆である『地震雲』ではないか?」という話題を見かけることがあります。しかし、気象庁や日本地震学会の公式見解として、「地震雲」というものは科学的に否定されています。

気象庁は「雲は大気(空)の現象であり、地震は大地(地下の岩盤)の現象。これらは全く別の独立した現象である」と説明しています。大気が地形の影響を受けることはあっても、地下深くの地震活動が特定の形の雲を発生させるメカニズムは確認されていません。

日本は地震が多い国で、体に感じる地震だけでも1日平均で約5回も発生しています。一方で、空には気流の乱れや地形の影響によって、日常的に不思議な形の雲が発生しています。

「頻繁に発生する地震」と「たまたま見た変わった形の雲」を、人間の心理として見かけ上結びつけてしまったに過ぎないというのが専門家の見解です。変わった雲を見ても、むやみに不安になる必要はありません。

虹色に光る「彩雲」や、傘をかぶる「笠雲」

SNS映えする美しい雲として人気があるのが「彩雲」や「笠雲」です。

  • 幸運のサインとも呼ばれる「彩雲(さいうん)」
    太陽の近くにある薄い雲(高積雲など)が、ピンクや緑などの虹色に色づいて見える現象。昔から「良いことが起こる前触れ」とされてきました。雨上がりの虹は大きな雨粒による光の「屈折・反射」でできますが、彩雲は、雲の細かな水滴や氷の粒のすき間を太陽の光が通り抜けるときに起こる「回折(かいせつ)」と「干渉(かんしょう)」という現象によって生まれます。シャボン玉や水たまりの油膜が虹色に光って見えるのと同じ仕組みです。
  • 富士山などを覆う帽子のような「笠雲(かさぐも)」
    山の頂上に、大きな麦わら帽子やUFOが覆いかぶさっているように見えるのが笠雲。これは、上空に湿った強い風が吹いているときに発生する「地形性の雲」です。強い風が山にぶつかって上昇気流が起こり、空気が冷やされて風上側で雲が発生します。そのまま風に乗って山の反対側へ行くと、今度は下降気流となって空気が暖められ、雲が消えていきます。「風上で発生し、風下で消える」というサイクルを同じ場所で繰り返しているため、強風が吹いているのに雲が頂上にピタッと止まっているように見えるのです。

空を見上げて、雲のメッセージを受け取ろう

雲ができる仕組みから、十種雲形の見分け方、そして天気を予測する観天望気の知恵までをご紹介しました。

私たちが何気なく見ている雲は、水蒸気が冷やされてできた水滴や氷の粒であり、上昇気流の力によって空に浮かんでいます。また、発生する高さと形によって「十種雲形」に分類され、意外と簡単に見分けることができます。

さらに、「飛行機雲が消えないときは天候悪化のサイン」「ヒヤッとした風はゲリラ豪雨のサイン」など、空には未来の天気を読み解くヒントがたくさん隠されています。

雲の名前や仕組みを知ることで、見慣れていた風景が違った面白さを持って目に飛び込んでくるはず。「あの雲はひつじ雲だから、明日は雨かもしれないな」なんて、日々の生活にちょっとしたワクワクをプラスしてくれます。

ぜひ今日から、お出かけの際にふと立ち止まって空を見上げてみてください。空に浮かぶ無数の雲たちが、あなたに色々なメッセージを届けてくれるはずです。

参考

PinTo Times

  • x

-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times