閏月とは?閏年との違いや「誕生日・法事」はどうなるのか徹底解説
- 1. 閏月(うるうづき)とは? その意味を解説
- 1.1. 旧暦(太陰太陽暦)における「13ヶ月目の月」
- 1.2. 新暦の「閏年(うるうどし/2月29日)」との違い
- 2. なぜ閏月があるの?その理由と仕組み
- 2.1. 月の満ち欠けと太陽の動きのズレ(年間約11日の差)
- 2.2. ズレを解消するための「19年に7回」の挿入ルール
- 3. 閏月はどうやって決まるの?
- 3.1. キーワードは二十四節気。「中気(ちゅうき)」を含まない月が閏月になる
- 3.2. 何月に挿入されるかは年によってバラバラ(閏5月、閏6月など)
- 4. 次の閏月はいつ?
- 4.1. 【前回】2025年の「閏6月」
- 4.2. 【次回】2028年の「閏5月」
- 5. 閏月にまつわる生活の疑問・影響まとめ
- 5.1. 閏月生まれの人の「誕生日」はいつ祝う?
- 5.2. 閏月がある年に「法事」や「結婚式」をしてもいい?
- 5.2.1. 結婚式などの慶事(お祝い事)について
- 5.2.2. 法事(年忌法要)について
- 6. 沖縄の「ユンヂチ(閏月)」
- 7. おわりに
- 7.1. 参考
閏月(うるうづき)とは? その意味を解説
旧暦(太陰太陽暦)において、月の満ち欠けによって作られるカレンダーと、実際の季節(太陽の動き)との間に生じるズレを調整するために挿入される「13ヶ月目の特別な月」のことです。私たちが普段使っている新暦の閏年が「1日」を追加するのに対し、旧暦の閏月は「1ヶ月」を追加するという点が特徴です。
旧暦(太陰太陽暦)における「13ヶ月目の月」
「閏月(うるうづき)」という言葉をニュースやカレンダーの片隅で見かけたことがあっても、その正確な意味や仕組みを理解している人は少なくなっています。閏月とは、明治時代初期まで生活の基準として使われていた「旧暦(太陰太陽暦)」において、カレンダーのズレを直すために特別に設けられた「13ヶ月目の月」を指します。
昔の人は、夜空に浮かぶ「月の満ち欠け」をカレンダーの代わりにしていました。新月(月が全く見えない状態)の日をその月の「1日(ついたち)」とし、三日月を経て、満月(15日ごろ=十五夜)になり、再び新月になるまでのサイクルを1ヶ月として数えていたのです。この月の満ち欠けの周期は、平均すると約29.5日になります。
この約29.5日のサイクルを12ヶ月分繰り返すと、どうなるでしょうか。
「29.5日 × 12ヶ月 = 354日」
つまり、月の満ち欠けだけで作られた1年は「354日」しかありません。
一方で、私たちが住む地球が太陽の周りを1周する期間(実際の季節の1サイクル)は「約365日」です。すると、カレンダーの1年(354日)と実際の季節(365日)の間に、毎年少しずつ日数の不足が生じることがわかります。
「閏(うるう)」という漢字には、もともと「平年より日数や月数が多いこと」や「余り」という意味があります。この足りない日数を補い、カレンダーと実際の季節を一致させるために、数年に一度「1ヶ月丸ごと」を追加しました。この特別に追加された月が「閏月」です。閏月がある年は、1年が13ヶ月になり、1年の日数も約384日と長くなります。
新暦の「閏年(うるうどし/2月29日)」との違い
現代使われているカレンダーは「新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)」と呼ばれています。この新暦にも、ズレを調整するための仕組みがあります。それが、4年に1度やってくる「閏年(うるうどし)」です。閏月と閏年は「暦のズレを調整して季節を合わせる」という目的は同じですが、その仕組みと規模には大きな違いがあります。
新暦は太陽の動きのみを基準にしており、基本となる1年は365日です。しかし、実際の地球の公転周期(太陽の周りを1周する時間)は「約365.2422日」です。カレンダーの365日ぴったりではないため、毎年約0.24日(約6時間)のズレが生じてしまいます。
この約6時間のズレを4年間集めると約24時間(ほぼ1日)になるため、4年に1度、2月を28日から29日に増やして「1日」だけ追加してリセットします。これが新暦の閏年です。
一方で旧暦の閏月は、月と太陽の大きなズレ(年間約11日)を数年分まとめて解消するために「1ヶ月」を追加します。
違いをまとめると以下の通りです。
| 比較項目 | 閏月(うるうづき) | 閏年(うるうどし) |
| 使用されている暦 | 旧暦(太陰太陽暦) | 新暦(太陽暦・グレゴリオ暦) |
| カレンダーの基準 | 月の満ち欠け + 太陽の動き | 太陽の動きのみ |
| 調整される単位 | 1ヶ月追加(例:閏5月) | 1日のみ追加(2月29日) |
| 追加される頻度 | 約3年(33ヶ月)に1度 | 原則として4年に1度 |
| 1年の日数(平年) | 約354日 | 365日 |
| 1年の日数(閏の年) | 約384日(1年が13ヶ月になる) | 366日(1年が12ヶ月のまま) |
このように、閏月は、季節が大きくズレてしまうのを防ぐためのカレンダー調整法であることがわかります。
なぜ閏月があるの?その理由と仕組み

月の満ち欠けを基準にしたカレンダー(1年=354日)と、実際の季節(1年=約365日)の間には、毎年約11日のズレが生じます。このズレを放置すると数年で季節が逆転してしまうため、古代の天文学者たちは「19年の間に7回」の閏月を挿入するというルールを編み出しました。
月の満ち欠けと太陽の動きのズレ(年間約11日の差)
なぜ、1ヶ月も追加するような調整が必要だったのでしょうか。その理由は、前述の通り「月の満ち欠けで作るカレンダー(約354日)」と「実際の太陽の動きで作られる季節(約365日)」の間に、年間で約11日の差があるためです。
もし閏月を入れずに、1年354日のカレンダーをずっと使い続けたと想像してみてください。
毎年11日ずつ、カレンダーの日付に対して実際の季節が遅れていくことになります。
1年後:約11日のズレ
3年後:約33日のズレ(約1ヶ月分のズレ)
8年後:約88日のズレ(約3ヶ月、つまり1シーズン分のズレ)
16年後:約176日のズレ(約半年分のズレ)
これを16年ほど放置すると、ズレは約半年分にも膨れ上がり、「カレンダーの上では8月(本来は真夏)なのに、外では雪が降っている」「お正月なのに真夏のような猛暑」という、カレンダーと季節の完全な逆転現象が起きてしまいます。
現代のように時計や精密な気象データがない時代、農業や漁業を中心としていた昔の人々にとって、季節とカレンダーが一致しないことは死活問題でした。種まきの時期や収穫の時期を見誤れば、作物が育たず飢饉に直結してしまうからです。
そのため、月の満ち欠けを利用して「今日は何日か(大潮か小潮かなど)」を把握しつつも、季節のズレを定期的にリセットする「閏月」の仕組みが必要不可欠だったのです。
ズレを解消するための「19年に7回」の挿入ルール
では、どのくらいの頻度で閏月を入れれば、季節とのズレを解消し続けることができるのでしょうか。古代ギリシャや古代中国の天文学者たちは、夜空の星や月の動きを観測し続ける中で、ある数学的な法則を発見しました。それが「メトン周期(19年周期)」と呼ばれるものです。
1年でズレる日数は約11日です。これを19年間蓄積すると、以下のようになります。
11日 × 19年 = 約209日のズレ
一方、月の満ち欠けによる1ヶ月は約30日(正確には約29.5日)です。この209日のズレを月数に換算するとどうなるでしょうか。
209日 ÷ 約29.5日 = 約7.08ヶ月
つまり、「19年間の間に、閏月を7回挿入すれば、月の動きと太陽の動きのズレがリセットされる」という計算結果になります。この「19年に7回」というルールに基づくと、19年間(228ヶ月)に7ヶ月が追加されるため、平均して「約33ヶ月おき(およそ3年に1度)」のペースで閏月がやってくることになります。
この計算に基づく調整ルールは、明治時代に新暦に切り替わるまで、日本の暦においても守られ続けてきました。昔の人は、コンピューターも電卓もない時代に、これほど正確な宇宙の法則を理解し、生活に活かしていました。
閏月はどうやって決まるの?
閏月を挿入するタイミングは適当に決められているわけではありません。季節の目安である「二十四節気」がカギを握っており、その中の「中気(ちゅうき)」と呼ばれる節目が含まれない月が発生した場合、その月を「閏月」として扱うルールがあります。
キーワードは二十四節気。「中気(ちゅうき)」を含まない月が閏月になる
閏月をいつ入れるのかを決める基準となるのが「二十四節気(にじゅうしせっき)」です。
二十四節気とは、1年間の太陽の通り道(黄道)を24等分して、季節の移り変わりを表したものです。「立春(りっしゅん)」「春分(しゅんぶん)」「夏至(げし)」など、現代のカレンダーや天気予報でもよく耳にする言葉です。この二十四節気は、さらに「節気(せっき)」と「中気(ちゅうき)」という2つのグループに交互に分けられます。
以下に、春夏秋冬の代表的な二十四節気を表でまとめました。太字になっているのが「中気」です。
| 旧暦の月 | 前半:節気(せっき) | 後半:中気(ちゅうき) | 季節 |
| 正月(1月) | 立春(りっしゅん) | 雨水(うすい) | 春 |
| 2月 | 啓蟄(けいちつ) | 春分(しゅんぶん) | 春 |
| 3月 | 清明(せいめい) | 穀雨(こくう) | 春 |
| 4月 | 立夏(りっか) | 小満(しょうまん) | 夏 |
| 5月 | 芒種(ぼうしゅ) | 夏至(げし) | 夏 |
| 6月 | 小暑(しょうしょ) | 大暑(たいしょ) | 夏 |
| 7月 | 立秋(りっしゅう) | 処暑(しょしょ) | 秋 |
| 8月 | 白露(はくろ) | 秋分(しゅうぶん) | 秋 |
旧暦のルール(置閏法:ちじゅんほう)では、「その月にどの中気が含まれているか」によって「何月か」が決定されます。たとえば、「雨水」が含まれる月は必ず「1月(正月)」、「春分」が含まれる月は必ず「2月」、「夏至」が含まれる月は必ず「5月」と名付けられます。
しかし、月の満ち欠けの1ヶ月(約29.5日)と、中気から次の中気までの間隔(約30〜31日)にはわずかな差があるため、暦を進めていくと、カレンダーの巡り合わせによって稀に「中気が1つも含まれない月」が発生してしまいます。
旧暦では、この「中気を含まない月」を閏月とするというルールが定められています。中気がないため「何月」と名付けることができず、仕方なく直前の月の名前を引き継いで「閏〇月」と呼ぶのです。
たとえば、旧暦の5月の次にやってきた月に中気が含まれていなかった場合、その月は「6月」とは名乗れず、「閏5月」となります。そして、その次の月が「6月」となるのです。
何月に挿入されるかは年によってバラバラ(閏5月、閏6月など)
「新暦の閏年」といえば必ず「2月(2月29日)」に調整が行われますが、旧暦の「閏月」が何月にやってくるかは、その年によってバラバラです。ある年は「閏3月」になり、またある年は「閏8月」になることもあります。
これには、宇宙の神秘的な法則が関係しています。地球の公転軌道は、きれいな円ではなく、少しひしゃげた楕円の形をしています。
ケプラーの法則によると、地球は太陽に近づく時期(冬の間)は公転スピードが速くなり、太陽から遠ざかる時期(夏の間)は公転スピードが遅くなります。
地球の公転速度の変化は、太陽の動きを基準とする「中気と中気の間隔」も一定ではないということです。具体的には、冬場は中気の間隔が短く、夏場は中気の間隔が長くなります。
間隔が長くなるということは、カレンダーの1ヶ月(約29.5日)の中に中気が入りきらず、「中気が含まれない月(=閏月)」が発生する確率が高くなるということです。
そのため、過去の記録やこれからの旧暦カレンダーを見ても、閏月は「閏4月」「閏5月」「閏6月」など、春から夏にかけての時期に挿入されることが多くなっています。逆に、「閏12月」や「閏1月」のように冬の時期に閏月が来ることは極めて稀な現象です。
次の閏月はいつ?

直近で閏月があったのは、2025年の「閏6月」でした。そして次回の閏月は、約3年後の2028年の「閏5月」に訪れます。普段の生活では気づきにくいですが、旧暦カレンダーの中では現在もこのルールが使われています。
【前回】2025年の「閏6月」
現代の私たちが使っているスマートフォンや壁掛けのカレンダー(新暦)には、大きく閏月が表示されることはありません。しかし、カレンダーの隅に小さく旧暦が記載されているものや、神社仏閣の行事、また農業・漁業の現場などでは、現在も閏月が静かに意識されています。
直近で閏月がやってきたのは、2025年でした。この年は、旧暦の6月の後に「中気を含まない月」が発生したため、「閏6月(うるうろくがつ)」が挿入されました。
つまり、旧暦のカレンダー上では「1月、2月、3月、4月、5月、6月、閏6月、7月…」というように、6月が2回繰り返される1年(合計13ヶ月の年)でした。
【次回】2028年の「閏5月」
前述の通り、閏月は「19年に7回(約33ヶ月に1度)」というペースでやってきます。前回の2025年から数えて、次に閏月がやってくるのは2028年となります。この年に挿入されるのは「閏5月」です。
全体的なイメージを掴んでいただくために、2000年代前半から中盤にかけての「閏月のスケジュール」を一覧表にまとめました。
| 西暦 | 和暦 | 挿入される閏月 |
| 2020年 | 令和2年 | 閏4月 |
| 2023年 | 令和5年 | 閏2月 |
| 2025年 | 令和7年 | 閏6月(前回) |
| 2028年 | 令和10年 | 閏5月(次回) |
| 2031年 | 令和13年 | 閏3月 |
| 2033年 | 令和15年 | 閏11月 |
| 2036年 | 令和18年 | 閏6月 |
この表を見ると、3年おき(または2年おき)に様々な月に入ることがわかります。特に、後述する沖縄県など、旧暦の年中行事を現代でも強く意識している地域では、「次は2028年だから、その時にお墓の工事をしよう」といったように、計画が立てられています。
閏月にまつわる生活の疑問・影響まとめ

現代の生活において、「閏月生まれの誕生日はどうなるのか」「法事や結婚式に悪影響はないのか」と心配される方もいますが、影響はありません。現代の法律や冠婚葬祭の計算はすべて新暦を基準としているためです。ただし、沖縄では独自の文化として「ユンヂチ」と呼ばれ、特別な期間として重宝されています。
閏月生まれの人の「誕生日」はいつ祝う?
旧暦が当たり前のように使われていた江戸時代までは、閏月に生まれた人(例えば閏5月生まれ)の誕生日は、少し複雑な扱いを受けていました。翌年以降の平年(閏月がない12ヶ月の年)には、「通常の5月」に誕生日を祝ったり、あるいは「翌月の1日(6月1日)」にお祝いをしたりと、地域や家庭によって対応が分かれていたようです。また、歴史的な出来事なども、当時は旧暦で日付が記録されていました。
しかし、現代社会において「旧暦の閏月生まれだから誕生日が来ない」といった心配をする必要は一切ありません。なぜなら、日本国内の戸籍や年齢計算は、すべて「新暦(太陽暦)」に基づくことが法律で定められているためです。
明治時代にカレンダーが旧暦から新暦に切り替わった後、年齢計算に関する法律が施行されました。現在でもこれが日本における年齢計算の法的根拠となっています。この法律をはじめとする近代の法整備により、現代の日本人は全員「新暦の生年月日」で戸籍に登録されています。したがって、現在生きている人で戸籍上の誕生日が閏月である人はいません。
※参考:新暦の「閏年(2月29日)」生まれの場合の法律
旧暦の「閏月」ではなく、新暦の「閏年(2月29日)」に生まれた方については少し事情が異なります。4年に1度しか誕生日が来ないため「歳を取らないのでは?」と冗談で言われますが、そうではありません。
年齢計算に関する法律では、年齢が加算される(歳を取る)正確なタイミングを「誕生日の前日が満了する時(前日の午後12時=24時)」と定めています。
そのため、2月29日生まれの人は、法律上は平年(2月が28日までしかない年)であっても、「2月28日の午後12時(=3月1日の午前0時)」の瞬間に1歳年を取ることになります。これにより、学校の入学年齢や選挙権の獲得など、行政手続き等で不利になることは一切ないよう守られています。
閏月がある年に「法事」や「結婚式」をしてもいい?
カレンダーに普段見慣れない「閏月」が含まれている年だと、「なんだか縁起が悪いのではないか」「冠婚葬祭のスケジュールが狂うのではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、全く問題ありません。
結婚式などの慶事(お祝い事)について
結婚式や入籍、結納などの日取りを決める際、現代の日本人が最も気にするのは「六曜(ろくよう・ろっき)」と呼ばれるカレンダーの注記(暦注)です。六曜には以下のようないわれがあり、冠婚葬祭の指標となっています。
- 大安(たいあん):「大いに安し」という意味で、1日を通して吉とされ、結婚式などのお祝い事に最も向いている日。
- 先勝(せんしょう・さきがち):「先んずれば即ち勝つ」という意味で、午前中が吉、午後が凶とされる日。物事を早めに済ませると良いとされます。
- 先負(せんぷ・さきまけ):「先んずれば即ち負ける」という意味で、午前中が凶、午後が吉とされる日。重要なことは午後に行うのが良いとされます。
- 凶会日(くえにち):万事に忌むべき日とされます。何事もうまくいかない日と言われています。特に入籍や結婚式などのお祝い事は控えるのがおすすめとされる日です。
- その他、友引(ともびき)、仏滅(ぶつめつ)、赤口(しゃっこう)などがあります。
このように、結婚式などの日取りの吉凶はあくまで「大安」や「凶会日」などの暦注で個別に判断されるのが一般的であり、その1年の中に「閏月」が含まれているかどうかは、縁起の良し悪しに一切関係しません。
法事(年忌法要)について
仏教の法事(年忌法要)の数え方やスケジュールについても同様に、閏月の影響は受けません。
法要は、亡くなった日を「命日」として、決まった年数ごとに執り行われます。主な年忌法要のスケジュールは以下の通りです。
| 法要の名称 | 執り行う時期(死からの満年数) |
| 一周忌(いっしゅうき) | 死から満1年目 |
| 三回忌(さんかいき) | 死から満2年目 |
| 七回忌(ななかいき) | 死から満6年目 |
| 十三回忌(じゅうさんかいき) | 死から満12年目 |
| 十七回忌(じゅうななかいき) | 死から満16年目 |
| 二十三回忌(にじゅうさんかいき) | 死から満22年目 |
| 二十五回忌(にじゅうごかいき) | 死から満24年目 |
この「〇回忌」という呼び方は、亡くなった年を「1」として数え、そこから満年数を引いた数字(例:満6年目に行うので七回忌)となっています。一周忌だけは満1年目に行いますが、三回忌は満2年目の命日に行います。
昔の暦では閏月が入ると1年が「13ヶ月」になる年がありましたが、だからといって法事の時期が1ヶ月分ズレる(遅れる)ことはありませんでした。命日が属する「月と日」が同じになれば、それが12ヶ月後であれ13ヶ月後であれ、1年目の法要として扱っていたのです。
さらに現代の法要は、新暦の命日に基づいて計算され、満年数でスケジュールが組まれます。そのため、カレンダーの裏側に閏月が隠れている年だからといって、法事の数え方に影響が出ることはありません。
沖縄の「ユンヂチ(閏月)」

現代の日本では、旧暦の閏月を日常生活で意識する機会はほとんどなくなりましたが、この風習が残る地域として、沖縄県があります。
沖縄には古くから伝わる伝統や風習が残っており、年中行事を執り行う際には、現在でも旧暦に当てはめて進められることが少なくありません。お正月(旧正月)やお盆(旧盆)、さらには海神祭(ハーリー)などの行事も、一般的な全国の時期とは異なり、旧暦のスケジュールで行われます。
沖縄の言葉で、閏月のことを「ユンヂチ」と呼びます。
沖縄において、ユンヂチ(閏月)が巡ってくる年は特別な意味を持っています。それは、「お墓事(お墓の建立、改修、お墓の引越し)や仏壇事に最適な時期である」という考え方です。
なぜ閏月が良いとされるのでしょうか。
旧暦の1年は通常12ヶ月ですが、閏月が挿入される年は13ヶ月になります。昔の沖縄の人は、この本来のカレンダーにはない余分な1ヶ月(ユンヂチ)のことを、「あの世の神様の目が届かない期間」や「見えない月」であると考えました。
沖縄では先祖崇拝の信仰が深く、お墓や仏壇に触れることは「神様やご先祖様に影響を与える重大な行為」とされています。そのため普段は、日取りや方角の吉凶を気にします。しかし「神様から見えない月」であるユンヂチの間だけは、いつお墓の工事をしても、いつ仏壇を動かしてもバチが当たらない(日取りを気にしなくて良い)と考えられました。
そのため、沖縄ではユンヂチの期間になると、以下のような行事が各家庭で集中的に行われます。
- お墓の建立やリフォーム、墓じまい
- 仏壇の新規購入や移動
- 位牌の継承に関わる「トートーメーの筋正し(シジタダシ)」(位牌継承問題を整理すること)
ユンヂチは「19年に7回」、つまり「約33ヶ月に1度」という周期でしか巡ってきません。そのため、「今のうちに」と、親族間で計画を立てるのが沖縄の一般的です。
直近では2025年がユンヂチの年であり、多くの家庭でお墓や仏壇の準備・整理が行われました。そして次回の2028年も同様に、沖縄全土で「ユンヂチ(閏月)」が意識され、石材店や仏壇店が最も忙しくなる1年となるでしょう。
おわりに

カレンダーの中の隠れた存在である「閏月(うるうづき)」は、月の満ち欠けと太陽の動き(季節)の間に生じるズレを解消するために生まれた、高度な天文学的知識です。
- 閏年との違い:4年に1度「1日」を追加する新暦の閏年に対し、旧暦の閏月は「1ヶ月丸ごと」を追加し、1年を13ヶ月にする調整方法です。
- 緻密な仕組み:年間約11日のズレを解消するため「19年に7回」のペースで挿入されます。二十四節気の「中気」を含まない月が発生した際、その月を「閏月」として扱います。
- 次のタイミング:前回は2025年(閏6月)であり、次回は約3年後の2028年(閏5月)に訪れます。
- 生活への影響:現代の法律(年齢計算ニ関スル法律など)や仏教の法事(一周忌は満1年、三回忌は満2年など)はすべて新暦に基づいて計算されるため、閏月が誕生日や冠婚葬祭のスケジュールに悪影響を及ぼすことはありません。
- 沖縄の文化:沖縄では閏月を「ユンヂチ」と呼び、神様の目が届かない「見えない月」として、現在でもお墓の建立や墓じまい、仏壇の整理などに最適な期間として大切にされています。
私たちが当たり前のように使っているカレンダーには、季節のズレを防ぎ、生活を豊かにするための、古代の人々の知恵が詰まっています。現代社会において閏月を直接意識する機会は減ってしまいましたが、沖縄のユンヂチのように、文化や風習の中にその名残があります。
次に閏月がやってくる2028年には、夜空の月を見上げながら、昔の人が空の動きに抱いていたロマンや、カレンダー作りの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。





