東北弁の魅力と意味!かわいい表現から難解方言まで徹底解説【完全保存版】

「東北弁」とひとことで言っても、実は地域によってまるで違う言葉が使われていることをご存知ですか? 青森と福島の言葉なんて、並べてみるとまるで別の国の言葉のよう。

でも、共通しているのはその「温かさ」。 今回は、東北弁の基本ルールから、思わず使ってみたくなるかわいいフレーズ、そして現地の人も苦笑いする(?)マニアックな表現まで、その奥深い世界をご紹介します。

これを読んでおけば、東北旅行がもっと味わい深くなるだけでなく、地元の人との距離がグッと縮まること間違いなしです!

目次

そもそも「東北弁」って? 共通する「ズーズー弁」の正体

東北地方はとても広いので言葉も多種多様ですが、全体を包み込む「東北弁らしさ」にはいくつかルールがあります。まずはその「空気感」を掴んでみましょう。

言葉の角が取れて丸くなる? 独特の濁音ルール

東北の人と話していると、「なんだか言葉が柔らかいな」と感じることがあります。 その正体のひとつが、カ行やタ行が濁る(濁音化する)という特徴です。

  • 「k」→「g」:行く(Iku)→ イグ(Igu)、坂(Saka)→ サガ(Saga)
  • 「t」→「d」:私(Watashi)→ ワダシ(Wadashi)

言葉の尖った部分(角)が取れて丸くなる。これが東北弁特有の「温かみ」や「優しさ」の正体なんです。 また、言葉を極端に短くするのも面白いところ。

  • 「け」 = 食べて/(こっちへ)来い/かゆい
  • 「く」 = 食べる

一文字だけで会話が成立してしまうなんて、まさに気心の知れた間柄ならではの「あうんの呼吸」ですよね。

なぜ「ズーズー弁」と呼ばれるの?

東北弁の代名詞「ズーズー弁」。 これは、「シ(Shi)」と「ス(Su)」、「チ(Chi)」と「ツ(Tsu)」の発音が混ざり合って、聞き分けにくくなる現象(中舌母音化)から来ています。

  • 「寿司(Sushi)」→「スス」
  • 「地図(Chizu)」→「ツズ」

なぜこうなったのか? 有力な説として「厳しい寒さの中で、口を大きく開けずに話すことで熱を逃さないようにしたため」と言われています。 口の動きを省エネ化しつつコミュニケーションを取る、雪国の知恵が生んだ発音なのかもしれません。

「抑揚あり」の北、「フラット」な南

少しマニアックですが、東北弁は大きく2つのグループに分かれます。

  1. 北奥羽方言(青森・秋田・岩手北部・山形庄内)
    東京と同じように単語に「アクセント(抑揚)」があります。「雨」と「飴」を音の高さで区別するタイプです。
  2. 南奥羽方言(宮城・福島・岩手南部・山形内陸)
    いわゆる「無アクセント」地域。「橋」も「箸」も平坦に発音し、文全体のイントネーションで感情を伝えます。北関東(茨城・栃木)の言葉に近いのが特徴です。

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万能すぎる相槌「んだ」

東北人のコミュニケーションツールNo.1。標準語の「そう(Yes)」にあたりますが、活用が無限大です。

  • 「んだ」:そうです。(基本)
  • 「んだんだ」:そうそう!その通り!(首を縦に振りながら強く共感!)
  • 「んだから~」:本当そうなんだよ~!(相手の意見に深く同意)
  • 「んで」:それで?(会話の続きを促す)

「んだ」のニュアンスを使いこなせれば、あなたも立派な東北通です。

愛しさあふれる「めんこい」

  • 意味:かわいい
  • 使用例:「孫、めんこいごど(孫がかわいいこと)」「めんこい犬だ」

女性や子供、ペットなど、愛おしい対象に使います。言われると心がほっこりする言葉ですね。

夕暮れの挨拶「おばんですが」

  • 意味:こんばんは
  • 使用例:お店に入る時やご近所さんに。「おばんです~」

丁寧語の「ございます」が変化したもので、とても上品で温かい響きがあります。京都の言葉がルーツという説も。

同意を求める魔法の語尾「~だべ」

  • 意味:~だろう、~でしょう
  • 使用例:「明日は雨だべ」「んだべ?(そうでしょ?)」

SMAPの中居正広さんの影響で関東のイメージもあるかもしれませんが、東北全域で愛されている語尾です。相手に「ね?」と同意を求めたい時に便利です。

驚きの瞬発力「じぇじぇじぇ」「ば!」

  • 「じぇじぇじぇ」(岩手県久慈市など):朝ドラ『あまちゃん』で有名に。「じぇ」の数=驚き度合いです。
  • 「ば!」「ばばば!」(宮城県気仙沼市、秋田県など):不意をつかれた時に思わず出る音。短い音に驚きが凝縮されています。

【県別】隣の県でも全然違う! キャラクター豊かな6県の方言

ここからは県ごとの個性を深掘り! 隣の県へ移動しただけで言葉がガラッと変わるのが東北の面白いところです。

【青森県】日本一難解? 津軽と南部の大きな溝

青森県は、西部の「津軽弁」東部の「南部弁」で言葉が全く異なります。 津軽弁は早口で抑揚が激しく、「~だはんで(~だから)」「~だびょん(~でしょう)」などが特徴。一方、南部弁はゆったりとしていて、「~だすけ(~だから)」「~ヤンス(~でございます)」など、少し柔らかい響きがあります。

【岩手県】おもてなしの心を感じる岩手弁・盛岡弁

日本最大の面積を誇る岩手。内陸の盛岡市周辺では、丁寧で上品な言葉が話されています。 「おあげんせ(召し上がってください)」「おでんせ(いらっしゃいませ)」など、響きがとても綺麗ですよね。 「そうでがんす(そうでございます)」という言葉は、「がんす=ございます」が訛ったもので、非常に丁寧な表現なんです。

【秋田県】リズミカルで可愛い「~だす」「~だんす」

「秋田美人」のイメージ通り、可愛らしい言葉が多い秋田弁。 丁寧語の「~だす」「~だんす」や、「ねまる(座る・休憩する)」などが代表的。「どさ?(どこ行くの?)」「ゆさ(温泉へ)」という究極の短縮会話は、秋田が発祥と言われています。

【宮城県】「いずい」など独特な感覚語

都市化が進む仙台ですが、独特の表現が根強く残っています。 他県民を悩ませるのが「いずい(いづい)」。「服のサイズが合わない」「目にゴミが入った」など、「しっくりこない・居心地が悪い」感覚を一言で表す便利な言葉(標準語には直訳できません!)。 また、ジャージのことを「ジャス」と呼ぶのは仙台市民の証です。

【山形県】山を越えれば言葉が変わる

山形県は山脈によって内陸(山形市など)と庄内(酒田市などの日本海側)に分かれています。 内陸はズーズー弁や濁点が多い南奥羽方言ですが、庄内は北前船で関西の文化が入ったため、「~のぉ」といった京言葉風の柔らかい語尾が特徴。「もっけだの(ありがとう・気の毒だね)」という独特の感謝の言葉があります。

【福島県】関東のアクセントに一番近い?

東北の玄関口である福島は、関東(茨城・栃木)と言葉が似ています。 会津地方では「~さすけね(大丈夫だ、問題ない)」という芯の強い言葉や、「にしゃ(あなた)」といった独特の二人称が。中通り・浜通りでは「~だっぺ」「~だべした」など、語尾に特徴があり、イントネーションはのっぺりとした無アクセントが主流です。

言われたら胸キュン? かわいい東北弁フレーズ厳選

東北弁は「濁点が多い=怖い」と思われがちですが、実は最強の「胸キュン方言」の宝庫でもあります。

語尾の破壊力「~だっちゃ」「~けろ」

  • 「~だっちゃ」(宮城・山形など):「行くっちゃ(行くよ)」「んだっちゃ(そうだよ)」。甘えるような響きがあってかわいいですよね。
  • 「~けろ」(全域):「~してください(ちょうだい)」の意味。「待ってけろ」「許してけろ」と言われると、つい何でも許したくなってしまいます。

素朴な愛情表現「好ぎだ(Sugida)」

東北弁では「き」が濁って「ぎ」になります。「好きです」とシュッと言うよりも、「好ぎだ」「好ぎだはんで(好きだから)」と言われると、飾り気のない、心からの言葉に聞こえませんか?

女性に使ってほしい「おしょうしな」

山形・米沢地方の言葉で「ありがとう」。語源は「笑止(恥ずかしい)」。褒められた時に恥じらいながら感謝するような、奥ゆかしい響きが素敵です。

もはや外国語? 他県民には通じない「難解な東北弁」

最後は上級編! 文脈がないと大惨事(?)になる難解方言をご紹介します。

レベル1:投げる(捨てる)

「ゴミ、なげてきて」
→正解:ゴミを「捨てて」きて。 ボールを投げるフォームを構えてはいけません。東北人にとって「なげる」は「捨てる」ことなんです。

レベル2:うるかす(水に浸す)

「茶碗、うるかしといて」
→正解:茶碗を「水につけて(ふやかして)」おいて。 標準語で一言で表す言葉がないため、上京した東北人が「えっ、これ標準語じゃなかったの!?」とショックを受ける言葉No.1です。

レベル3:きかない(気が強い・わんぱく)

「あのわらすは、きかない子だ」

→正解:あの子は、「気が強い(やんちゃな)」子だ。 「言うことを聞かない」という意味も含みますが、単にワガママなだけでなく、元気が良くて気性が激しい性格を指します。

超難問:フランス語に聞こえる津軽弁

ネットのジョークとしても有名な津軽弁の空耳。

「あ、めぇ! ぼだっこ、なぼだ?」 (発音:A, me! Bodakko, naboda?)

意味:「あら、おいしい! この塩鮭、いくらですか?」 「めぇ(美味しい)」「ぼだっこ(塩鮭)」「なぼ(いくら)」。流れるように発音すると、本当にフランス語のように聞こえるから不思議です。

おわりに〜東北弁という「言葉の旅」へ〜

「東北弁」とひとくくりにしても、地域によってリズムも性格もまったく違います。 でも共通しているのは、厳しい冬を共に乗り越えるための「相手を気遣う温かさ」と、「阿吽の呼吸」です。

次に東北を訪れる際は、ぜひ地元の方の言葉に耳を傾けてみてください。 「んだ(そうですね)」と一言返すだけで、きっと素敵な笑顔が返ってくるはず。

さあ、言葉の温かさに触れる東北の旅に出かけてみませんか?

参考

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-偏愛が気づかせる、私たちの見えていなかった世界-

なぜだか目が離せない。
偏った愛とその持ち主は、不思議な引力を持つものです。
“偏”に対して真っ直ぐに、“愛”を注ぐからこそ持ち得た独自の眼差し。
そんな偏愛者の主観に満ちたピントから覗かれる世界には、
ウィットに富んだ思いがけない驚きが広がります。
なんだかわからず面白い。「そういうことか」とピンとくる。

偏愛のミカタ PinTo Times