【徹底解説】なぜ日本のグミは世界一?ガムを抜いた理由と進化の秘密
この記事でわかること
- 歴史の意外な真実: グミはもともと「お菓子」ではなく「噛むトレーニング器具」として生まれた。
- 市場の逆転劇: なぜガムの人気が落ちて、グミが爆発的に売れるようになったのか?(スマホ・推し活・マスクの影響)
- 日本のすごい技術: 「コロロ」や「マロッシュ」など、世界が驚く食感はどうやって作られているのか?
- 心への効果: グミを噛むと「集中力」や「ストレス解消」に役立つ科学的な理由。
コンビニのお菓子売り場に行くと、以前とは全く違う光景が広がっていることに気づきませんか?
かつてレジ横の一等地を独占していたのは「ガム」や「アメ」でした。でも今は、壁一面がカラフルな「グミ」で埋め尽くされています。
キラキラした宝石のようなグミ、本物のフルーツみたいなグミ、そして「忍者めし」のような超ハードなグミ。
実は今、日本のグミは世界中から「ガラパゴス的進化」を遂げたと注目されているんです。
なぜ私たちはこれほどグミに夢中になるのでしょうか? この記事では、単なるお菓子の話にとどまらない、グミの奥深い世界を紐解いていきます。
- 1. グミの歴史:最初は「美味しいお菓子」じゃなかった!?
- 1.1. ドイツで生まれた理由は「子供の歯を守るため」
- 1.2. 日本への上陸と「オブラート」の工夫
- 1.2.1. 【図解】日本のグミ進化年表
- 2. ガムvsグミ:ついに市場規模が逆転!その3つの理由
- 2.1. 理由①:コロナ禍とマスク生活
- 2.2. 理由②:スマホと「ながら食べ」
- 2.3. 理由③:推し活と「SNS映え」
- 3. 日本の技術が凄すぎる!「食感」の秘密
- 3.1. UHA味覚糖「コロロ」:ソーセージの技術を応用!?
- 3.2. カンロ「マロッシュ」:グミなのか?マシュマロなのか?
- 3.3. 日本語だからできる「オノマトペ」の魔法
- 4. 勉強やスポーツに!「噛むこと」の科学的効果
- 4.1. 幸せホルモン「セロトニン」が出る
- 4.2. 集中力アップと眠気覚まし
- 5. おわりに
- 5.1. 参考
グミの歴史:最初は「美味しいお菓子」じゃなかった!?

ドイツで生まれた理由は「子供の歯を守るため」
グミの歴史は約100年前、1920年代のドイツにさかのぼります。
世界的に有名な「ハリボー(HARIBO)」の創業者ハンス・リーゲル氏が開発したのですが、実はこれ、最初から「美味しいおやつ」として作られたわけではありませんでした。
当時のドイツでは、硬い食べ物が減ったことで子供たちの「噛む力(咀嚼力)」が弱くなり、歯の病気が増えていました。そこで、「子供のアゴを鍛えるトレーニング器具」として発明されたのがグミの始まりなのです。
だから、ドイツのグミはゴムのように硬く(ドイツ語でゴムは"Gummi")、美味しさ以前に「しっかり噛ませる」ことが目的だったんです。
日本への上陸と「オブラート」の工夫
日本に初めてグミが登場したのは1980年、明治製菓(現・明治)の「コーラアップ」です。
しかし、当時の技術では日本の高温多湿な夏に耐えられず、グミ同士がくっついてしまいました。そこで日本人が考えたのが、「オブラートで包む」というアイデアです。
子供の頃、透明なオブラートごと食べた記憶がある人もいるかもしれません。これは日本ならではの「気遣い」から生まれた工夫でした。
その後、1988年に「果汁グミ」が登場し、「子供のお菓子」から「フルーツ代わりのデザート」へと進化。日本人の好みに合わせた「弾力があるのに歯切れがいい」絶妙な食感が作られました。
【図解】日本のグミ進化年表
ここで、グミがどのように進化してきたのか、歴史的な流れを整理してみましょう。
| 年代 | 出来事 | ポイント |
| 1920年代 | ドイツでHARIBO誕生 | 子供の「噛む力」を鍛えるために発明 |
| 1980年 | 明治「コーラアップ」発売 | 日本初のグミ。オブラート付きでの提供 |
| 1988年 | 明治「果汁グミ」発売 | 「果物の代わり」として大ヒット。第1次ブーム |
| 2002年 | カンロ「ピュレグミ」発売 | 「すっぱいパウダー」と「大人の女性」向けで市場拡大 |
| 2008年 | UHA味覚糖「忍者めし」発売 | 「現代忍者(ビジネスマン)」向けハードグミの先駆け |
| 2014年 | UHA味覚糖「コロロ」発売 | まるで本物の果実!技術革新が起きる |
| 2014年 | カバヤ「タフグミ」発売 | 男性向けの超ハード系が定着 |
| 2021年 | グミ市場 > ガム市場 | ついにガムを追い抜く(コロナ・SNSの影響) |
| 現在 | 第3次グミブーム | 推し活、機能性、海外展開など多様化 |
ガムvsグミ:ついに市場規模が逆転!その3つの理由

年表にもある通り、長年お口のお供といえばガムでしたが、2021年についにグミの市場規模がガムを追い抜きました。2023年には明治が「キシリッシュ」などのガム事業から撤退するというニュースも話題になりました。
なぜ、ここまで急激にグミが伸びたのでしょうか? 大きな理由は3つあります。
理由①:コロナ禍とマスク生活
ガムは「誰かと会う前の口臭ケア」として噛まれていましたが、マスク生活でその必要性が薄れました。また、テレワークが増え、駅の売店でガムを買う機会も減少。
一方でグミは、「手で触らずにポイっと口に入れられる」「ゴミが出ない」という手軽さが、衛生面を気にする時代にマッチしました。
理由②:スマホと「ながら食べ」
ガムは噛んだ後、紙に包んで捨てる手間があります。でも、グミなら飲み込めるのでゴミが出ません。
これは、「スマホを触りながら」「ゲームをしながら」食べるのに最適です。現代のデジタル生活において、グミは最強のパートナーになったのです。
理由③:推し活と「SNS映え」
グミは透明感があって色がきれいなので、写真を撮るとすごく「映え」ます。
自分の好きなアイドルやキャラの「推し色」のグミを並べてSNSにアップする「推し活」のアイテムとしても大人気に。地味な色の多いガムやチョコには真似できない、グミならではの強みです。
日本の技術が凄すぎる!「食感」の秘密

日本のグミが世界で評価されている最大の理由は、「変態的(褒め言葉)」とも言える食感へのこだわりです。メーカーは科学的なアプローチで新しい食感を生み出しています。
UHA味覚糖「コロロ」:ソーセージの技術を応用!?
まるで本物のブドウのように、皮が「プチッ」とはじける食感の「コロロ」。
実はこれ、ソーセージの皮(ケーシング)の技術を応用して作られているんです。
グミ液をコラーゲンの膜で包むことで、今まで不可能だった「水分たっぷりのジューシーな中身」を実現しました。お菓子の工場にソーセージの技術を持ち込むなんて、常識破りの発想です。
カンロ「マロッシュ」:グミなのか?マシュマロなのか?
食べていると「モチモチ」から「シュワシュワ」と溶けていく不思議な食感の「マロッシュ」。
これは「エアレーション(空気を混ぜる)」という技術で、グミとマシュマロの中間のような状態を作り出しています。
「食べているうちに食感が変わる」という体験自体を売りにした、新しいタイプのお菓子です。
日本語だからできる「オノマトペ」の魔法
「もちもち」「ぷにぷに」「パリッ」「しゃりもに」。
日本語には食感を表す言葉(オノマトペ)がたくさんあります。メーカーはこれらの言葉をヒントに、「この言葉に合う食感を作ろう!」と開発しているそうです。
日本人の繊細な舌と、豊かな言葉の文化が、グミのバリエーションを広げているんですね。
勉強やスポーツに!「噛むこと」の科学的効果

最近、「ハードグミ」を噛んでいる男子学生やビジネスマンをよく見かけませんか? 実はこれ、理にかなっているんです。
幸せホルモン「セロトニン」が出る
リズムよく噛む運動(咀嚼)をすると、脳内で「セロトニン」という物質が分泌されます。これは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスを減らしたり、精神を安定させたりする効果があります。
イライラした時に硬いグミを噛みちぎりたくなるのは、脳が本能的にストレス解消を求めているからかもしれません。
集中力アップと眠気覚まし
噛むことで脳への血流が増え、集中力が高まることもわかっています。
勉強中やeスポーツの最中にグミを食べるのは、単なるおやつタイムではなく、パフォーマンスを上げるための「エネルギーチャージ」と言えるでしょう。
おわりに
たかが100円ちょっとのお菓子ですが、その背景には「ドイツの歴史」「日本の技術」「現代社会の変化(スマホやコロナ)」「人間の本能(噛みたい欲求)」など、驚くほどたくさんの物語が詰まっています。
最近では、日本を訪れる外国人観光客がお土産にグミを大量買いする姿も珍しくありません。繊細な味と食感を持つ日本のグミは、アニメやゲームと同じくらい誇れる「日本のポップカルチャー」になっているのです。
次にコンビニに行ったら、ぜひパッケージの裏側や食感を表す言葉に注目して、グミを選んでみてください。その一粒には、世界を面白くする工夫がギュッと詰まっていますよ。
参考
- vol.179『9月3日は「グミの日」、グミの勢いは止まらない?』
- なぜグミが人気?飴やガムよりも売上が伸び続ける理由を徹底分析 - ウルプロ
- グミの人気が急上昇の一方で…明治がガム市場から撤退した理由とは?最近のグミのトレンドは「硬さ」にあり!
- 【ドイツのおやつ】ハリボー原産国の「本場グミ」は日本のと何が違う?
- 世界を旅するグミ!海外グミの魅力とおすすめ徹底ガイド - スイーツモール
- 「グミ」を愛していますか?日本で驚異的に進化したドイツ生まれのお菓子 - CBCテレビ
- HISTORY | コーラアップ | 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.
- コーラアップ | オリジナルグミをOEM生産・ODM生産する「グミ研究所」
- 果汁グミの商品開発における4つのこだわり - 明治
- グミ食感の取り組み|株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.
- 「リポジショニング ― 訴求点変え、市場開拓:果汁グミ(西川英彦の目)」『日経産業新聞』
- ガムはオワコン!?グミに敗北で「お口のお供」の序列逆転…その「たった1つの敗因」とは
- 【日本グミ協会会長】「グミの楽しさを伝えたい」会社員と“好き”を両立する武者慶佑さん
- お菓子メーカーの商品パッケージに使われるオノマトペ Hui Huang - 東京外国語大学
- オノマトペを用いた客観性のあるグミ推薦サービスの有用性 評価
- グミ製造:8つのフォーマットと生産技術 - MPS
- 新感覚グミ専門店『cororo(コロロ)』 - UHA味覚糖
- コロロ | オリジナルグミをOEM生産・ODM生産する「グミ研究所」
- 【イベントレポ】Z世代を狙ったTikTok活用で売上計画比約200%達成!カンロ「マロッシュ」から見る「TikTok売れ」を引き起こすカギ - 株式会社FinT
- 15秒でグミがマシュマロに!? 新食感のカンロ「マロッシュ」全国発売開始 - フードニュース
- グミの噛み応えと気分や感情の関係を確認 ソフトなグミは「リラックス」、ハードになるほど「覚醒感」~第24回日本感性工学会大会にて発表~ | 2022年 | プレスリリース・お知らせ | 株式会社 明治
- 森永製菓株式会社様・国立大学法人電気通信大学の共同研究において感性評価AIを活用いただきました
- 大人にもうれしい“グミ”効果のリアル!ストレス軽減、集中力アップ、口臭予防etc. - OCEANS
- “噛むだけ”でストレス解消!?セロトニン分泌と咀嚼の驚きの関係 - カツベ歯科クリニック
- 「噛む力」で脳を活性化!咀嚼がもたらす驚きの健康効果 - いろどり歯科
- グミの摂取が心理状態の向上と交感神経系活動の持続的亢進を促進することを確認 快適感の向上や活動的な状態の維持に貢献~一般社団法人日本官能評価学会2021年大会で発表 - 明治
- 【連載・グミ情報局】 #07 「食感」と「擬音 ... - お菓子と、わたし
- 咀嚼とストレス解消のメカニズム – 噛むこと研究室
- 文化としてのグミを育てる~生活者発のカテゴリーグロース~ - 知るギャラリー by INTAGE
- 【2024年】外国人観光客(インバウンド)に売れている食品・お菓子まとめ - ショクビズ!
- 2024年1ー12月 農林水産物・食品の輸出額
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- グミサプリメント市場規模と動向 - 2025 年から 2032 年 - Coherent Market Insights
- グミサプリメント市場規模・シェア|予測[2032年] - Fortune Business Insights
- 万博でしか買えなかった“完全グミ”が発売へ - TABI LABO
- 2025年グミサプリ総合ガイド
- 商品開発への取り組みについて | 研究開発 | 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.
- 日本のグミを初めて食べた外国人 「ファーストパンチが効いている」気に入った味とは | Hint-Pot




